第三十九話 ページ41
「時透君、これから任務ですか?」
「………胡蝶さん。まぁ…はい、そうです」
背後から声をかけられ、その場で立ち止まる。胡蝶さんはいつも通りの笑顔を浮かべていた。
「あの子…Aさんでしたっけ。まだ見つからないのですね」
「……はい」
「…竈門君達も気にしていたので」
竈門………。
霧のかかった頭の中から記憶を手繰り寄せる。あぁ、彼奴か。
「心配しなくても絶対に見つけるので」
「そうですか…」
胡蝶さんはその笑みを深めた。話は済んだかと思い踵を返した時、また呼び止められる。
「もう、後悔はしないようにして下さいね」
胡蝶さんも何か思う事があるのだろう。1度礼をしてから、今度こそ歩き始めた。
**
もともと他の隊員が派遣されていたが、思ったより相手は手強いらしく既に何人かが犠牲になっているそうだ。
救援と鬼の始末。それが今回の任務だった。
目的地に着いた時には戦いの最中で、確かに苦戦している様だった。
「邪魔、弱い奴は退いてて」
「あっ…!柱の…」
「はやく」
「は、はい…!」
刀を握り直し鬼を見つめる。鬼は勢いをつけて此方へ飛びかかって来た。それを刀で受け止める。
図体は大きいがただ力任せなだけ。次々と仕掛けてくる攻撃を避けるか捌くかで対応する。
動きは単純、考え無しの単細胞だ。
鬼の隙をつき、背後に回る。振り向こうとするが、もう遅い。
「霞の呼吸 肆ノ型 移流斬り」
鬼の首が地面に転がり、体は灰になって消えて行った。
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uru(プロフ) - 愛NAさん» ありがとうございます!自分ではまだまだと思っているのですが、そう言って下さり嬉しいです!!これからも頑張ります! (2020年8月18日 19時) (レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
愛NA(プロフ) - 小説の書き方上手過ぎませんか…??ちょっとシリアスだったり面白かったり、何かもう色々と凄って思いました。陰ながら応援させて頂きますね…! (2020年8月18日 18時) (レス) id: d66500f3cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:憂流 | 作成日時:2020年8月2日 15時