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第三話 ページ5

あの後真っ先に私は、むいくんに着物を渡された。どうやら私の格好は奇怪なものらしい。時代が時代だから仕方ないとは思うが。

それより今は、服装なんて問題ではない。

私は何故か、鬼滅の刃の世界にトリップしたのだ。

『むいくん…やっぱかっこいいなぁ…』

大好きな人に会えて叫び出したいほど嬉しい。でも、今の状況をどう受け入れれば良いのか、正直戸惑っている。

漫画の世界に行けるとかそんなのアリなのか?いや、実際起こっているのだが。

そもそも今はいつなのだろう。炭次郎がいないと、原作のどこら辺なのかが分からない。


「…着替えた?」

不意に部屋の外からそう声をかけられ、うん、と返事をする。障子が開き、むいくんが此方を見た。

「…さっきよりはマシになったかな」

マシって…。未来ではこの服装が当たり前なのになぁ。

クスクス笑っていると、訝し気に私を見るむいくん。

「何」

『ううん、何でもない。むいくん、ありがとう』

「…何回言うの」

『何回でも!』

即答して言えば、むいくんは僅かに目を細めた。

「馬鹿でしょ」

ドキリと胸が高鳴った。笑顔とは程遠いけど、無表情な顔に感情が少しだけ色付いた気がする。たったそれだけの事が嬉しくて、飛び跳ねたい位だ。

『何か手伝える事ない?私、何でもするよ』

「……勝手にすれば…」

むいくんはチラリと私を見てから外に出た。


…考えてても仕方ないよね。悩むなんて私らしくない。


『折角むいくんに会えたんだもん。今は楽しまなくちゃ』


私は自分自身を鼓舞し、まずは掃除でもしようと部屋を出た。

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uru(プロフ) - 愛NAさん» ありがとうございます!自分ではまだまだと思っているのですが、そう言って下さり嬉しいです!!これからも頑張ります! (2020年8月18日 19時) (レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
愛NA(プロフ) - 小説の書き方上手過ぎませんか…??ちょっとシリアスだったり面白かったり、何かもう色々と凄って思いました。陰ながら応援させて頂きますね…! (2020年8月18日 18時) (レス) id: d66500f3cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:憂流 | 作成日時:2020年8月2日 15時

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