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第三十八話 ページ40

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──────苦しい。



暗い闇の中で少女は目を覚ました。



──────何かは分からない。満たされない渇きが苦しくて仕方ない。



ゆらりと立ち上がり、光を失った目で辺りを見回す。



──────どうすればこの渇きは潤う?



''殺せ''

''人間を、鬼狩り共を…''



──────…………煩い。



安定しない足取りで少女は歩き出し、闇夜に消えて行った。




**



ー無一郎時点ー


Aが消えて1週間が経った。

あの日屋敷に戻るとそこに彼女の姿はなく、代わりに手紙が置かれていた。


''少し出かけます。すぐに戻るから心配しないでね''


そう残したまま彼女は戻って来なかったのだ。色々な所を何度も探した。それでもAを見つける事は出来なかった。


唯一見つけられたのは…………血で汚れたAのリボンだけだった。


「ーッ何で…!」


壁を思い切り叩く。ダンッと大きな音が静かな空間に消えていくのが虚しく感じた。

目に見えて様子がおかしくなった彼女を1人にすべきではなかったのに。自分が心底情けなくて腹が立つ。


何が柱だ。


幾ら力があったとしても、守れないのなら無駄なだけだ。

なによりも守りたい存在がいなければ…意味がない。



いつの間にか自分の中でAの存在が大きくなっていた。
この気持ちが何かなんて……考える必要はなかったんだ。


だから今は……。


馬鹿な君を絶対に見つけて見せる。

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uru(プロフ) - 愛NAさん» ありがとうございます!自分ではまだまだと思っているのですが、そう言って下さり嬉しいです!!これからも頑張ります! (2020年8月18日 19時) (レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
愛NA(プロフ) - 小説の書き方上手過ぎませんか…??ちょっとシリアスだったり面白かったり、何かもう色々と凄って思いました。陰ながら応援させて頂きますね…! (2020年8月18日 18時) (レス) id: d66500f3cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:憂流 | 作成日時:2020年8月2日 15時

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