第三十一話 ページ33
『ーッやぁ!!』
私の持てる力、全てを使って木刀を振るうが、むいくんはいとも簡単に躱し、私の手から刀を弾いた。
「遅い。強く振れば良いって訳じゃないから」
『でも…私、力ないし』
「力がないなりに出来る事はある。スピードや技、それらを有効に使えば対等に戦える」
…スピード…技…
「Aには無理だろうけど」
『や、やれば出来るもん…!』
私は木刀を拾い上げ、大振りにならないように気を付けてむいくんに向かった。
避けられるのは分かっている。だから間髪入れずに第二撃を繰り出す。小振りになった分、次の攻撃へと直ぐに行く事が出来た。
むいくんは一瞬だけ目を見開く。
けど…
ドスッ
『痛ァ!?』
これまたむいくんは綺麗に躱し、私の頭にチョップをした。
「動きが単純。まだまだだね」
『…チョップしなくても…』
「木刀で攻撃されたかった?」
『いえとんでもないです、どうぞチョップして下さい』
しゃがみ込み頭をさすっていると、手首が鈍く痛んだ。やっぱり慣れない事をすれば体に負担がかかる。
『やっぱむいくんはすごいや』
ヘラリと笑えば、むいくんは小さく息を吐く。そして膝をついてしゃがみ、私の手を取る。
「馬鹿みたいに大振りするから」
『…気付いてたの?』
「…表情に出てる」
痛い?と聞くから、少しだけだと答える。
『冷やせば治るよ』
「こんなので鬼殺隊に入れるの?」
『うーん…どうだろ…?』
「……まぁ…さっきのは……悪くはなかった」
私は2、3度瞬きをする。
…今何と言った…?
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uru(プロフ) - 愛NAさん» ありがとうございます!自分ではまだまだと思っているのですが、そう言って下さり嬉しいです!!これからも頑張ります! (2020年8月18日 19時) (レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
愛NA(プロフ) - 小説の書き方上手過ぎませんか…??ちょっとシリアスだったり面白かったり、何かもう色々と凄って思いました。陰ながら応援させて頂きますね…! (2020年8月18日 18時) (レス) id: d66500f3cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:憂流 | 作成日時:2020年8月2日 15時