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第三十話 ページ32

『私、鬼殺隊に入りたい』

「無理でしょ」

即答で否定されて思わず怯むが、私も軽い気持ちで言ってる訳ではない。

『やってみなきゃ分からない』

「剣だって握った事ないんでしょ。呼吸も使えない。直ぐに死ぬのが目に見えてる」

『だから、むいくんにこうして頼んでるの!剣の使い方を教えて欲しい!呼吸も、修行すれば多分使えるよ!』

だけど、むいくんは表情を変えずに小さく溜息を吐くだけだった。
私は手を握り締め、むいくんを見つめる。


『誰かを守る力が欲しいの。むいくんも守りたい』


むいくんは一瞬目を丸くした後、呆れた様子で私を見た。

「Aに守って貰うほど弱くないんだけど」

『うん、知ってる。むいくんは柱ですごく強いもんね。でも…何も出来ないままは嫌だから』

「……何が嫌なの」

目を伏せて、むいくんは呟いた。


「僕がAを守る、それで別に良いじゃん」


その言葉にカァァッと顔が熱くなる。

『ぅえ…!?…や…それは…』

「何…?」

『それは…素直に嬉しい…です』

でも…


『出来る所までやってみたい。無理ならちゃんと諦めるから。少しくらい、むいくんの役に立つ事がしたいの』


むいくんは目を伏せたままだった。

「今諦めろって言っても、どうせ聞かないんだろ」

『流石むいくん。よく分かっていらっしゃる』

ヘラリと笑えば、むいくんは私を睨む。そしてまた、息を吐いた。

「鬼殺隊に入るかはまだ別として、剣の使い方位は教えてあげる」

『!!…ありがとう!むいくん!』






「こっちの気も知らないで」



喜んでいた私はむいくんが何か呟いていたなんて気付かなかった。

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uru(プロフ) - 愛NAさん» ありがとうございます!自分ではまだまだと思っているのですが、そう言って下さり嬉しいです!!これからも頑張ります! (2020年8月18日 19時) (レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
愛NA(プロフ) - 小説の書き方上手過ぎませんか…??ちょっとシリアスだったり面白かったり、何かもう色々と凄って思いました。陰ながら応援させて頂きますね…! (2020年8月18日 18時) (レス) id: d66500f3cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:憂流 | 作成日時:2020年8月2日 15時

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