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第二十八話 ページ30

前の告白とは違って今度ははっきりと、むいくんの顔を見て言った。


『恋愛感情で…むいくんが好き』

「……うん…」


むいくんは小さく息を吐いた。どこか安堵している様に見えるのは何故だろう。

……というか…うん、て…

『振るならはやく振ってよぉ…』

きっぱり振られれば、諦める努力はする。諦められるかは分からないけど。

「…誰も振るなんていってない…」

『……へ…?』

むいくんは気まずそうに目線を彷徨わせた後、私を見る。

「少し…待って。自分の気持ちを整理したい」

ドキドキと胸が高まっていく。何…それ…。

「Aの事ちゃんと考えるから……だから、もう避けるの止めてよ…」

お願い…。むいくんはそう呟いた。

『……狡い。本当に狡いよ、むいくんは…』

もしかするとって…期待しちゃうじゃん。それとも期待して良いの?

私はむいくんを真っ直ぐに見て笑った。

『…仕方ないなぁ〜もう…』

むいくんは息を呑んで、目を見開いた。そしてフッと顔を緩め、私の頬を軽く抓る。

「生意気」

『えへへ』

私は頬を抓っているむいくんの手に、自分の手を重ねた。ぴくりと反応して、むいくんは頬から手を離す。

だけど私の手は振り払わなかった。

『好きだよむいくん』

「……さっきも聞いた…」

『うん。実はずっと、むいくんと話したかった』

「あっそ…」

逸らしたむいくんの顔はほんの少しだけ赤かった。それにまた胸が高まる。


『(…好きだなぁ…)』









この時の私は、まだ知らなかったんだ。









好きだけじゃどうにもならない事があると。









この世界で生きる事が…どれだけ覚悟のいる事か。

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uru(プロフ) - 愛NAさん» ありがとうございます!自分ではまだまだと思っているのですが、そう言って下さり嬉しいです!!これからも頑張ります! (2020年8月18日 19時) (レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
愛NA(プロフ) - 小説の書き方上手過ぎませんか…??ちょっとシリアスだったり面白かったり、何かもう色々と凄って思いました。陰ながら応援させて頂きますね…! (2020年8月18日 18時) (レス) id: d66500f3cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:憂流 | 作成日時:2020年8月2日 15時

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