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ただ見ていた私も、きっと罰が降るだろう。
『…自分が他の人と違っているのは何となく…。あの日、夏油センパイからの電話で確信しました。何かを壊す感覚が…すごく快感で。
呪霊じゃ我慢出来なくなった。虫に変えたけど、それも直ぐに駄目になる。何がこの渇きを満たすのか、
人間しかない。柔らかい皮膚を突き刺す感覚、悲鳴、全部が気持ち良かった』
「A…」
『でも、やっぱり…認めたくない。私にとってこれが全てなんです』
自分が普通か異常なのかを確認する為に、私に診断の回答を見せたのか。私の反応を、あの時Aはどんな気持ちで聞いていたんだ。
『…ねぇ、夏油センパイ。教えて下さいよ。
普通って何ですか?』
「私達呪術師は…」
『呪術師とかそーいうのを言ってるんじゃない!私は…私が言いたいのは……っ、』
ぐしゃぐしゃと髪を掻きむしり体を丸め、
『…泣けなかった』
そう呟いた。
『灰原が死んだのに…泣けなかった』
「…それは私も…」
『同じじゃない。違うの。
…全く悲しくなかった。何も感じなかった。甘かったなぁ、呪霊に殺されるなら私が殺せば良かった。…五条悟が来る前に呪霊を消せば良かった。…そんな、自分の獲物横取りされた憎しみしかなかったの』
''なのに…なのにあの人が私のえ__''
あれは、獲物、と言いたかったのか。
『…あは…あはは。今もね…此奴殺した高揚感で一杯なんですよぉ』
泣きそうな声なのに、顔は不気味に笑い続けていた。
「A」
そんなAを見て、自然に口が開く。
「…もう、一緒に逃げようか」
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憂流(プロフ) - つっきーさん» こちらこそありがとうございます!とても丁寧に、そんな風に言って下さり、本当に嬉しいです…! (2021年8月4日 9時) (レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
つっきー - 訂正…このカプ?が一番好きです (2021年8月3日 23時) (レス) id: eaffa75066 (このIDを非表示/違反報告)
つっきー - もう何年か占ツク読んでんだけど、こんな読み終わった後に満足感と達成感を味わったのは初めてです…。有賀うございました、何気に今まで見た中でこのカプ?が好きです。 (2021年8月3日 23時) (レス) id: eaffa75066 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:憂流 | 作成日時:2021年4月5日 21時