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「後輩と話をしてるんだよ」
質問に答えれば、ふーん、と興味の無さそうな声が返って来た。しかし、全く無い訳ではないのか、Aの方へ目を向ける。
『五条センパイ!狂乱Aです!よろしくお願いします!』
「A、こいつが1番の問題児」
また硝子が耳打ちをする。Aは真面目な顔で頷きながら聞いていた。
と、そこで、親友が一言も発していない事に気付く。いつも騒がしい奴が一体どうしたのか。硝子にも言い返していない。
悟を見ると、目を見張りAを見つめていた。
「…悟?」
呼びかけても何も答えなかった。視線に気付いたのか、硝子と話していた彼女は悟の方に顔を向ける。
青い瞳と、色素の薄い瞳がかち合った。
スッ、と青い瞳が細められる。
「………狂乱だな」
一言目がそれだった。その“狂乱”は、今思えば苗字を差していなかったのだ。
『………はい、狂乱ですよ』
笑った彼女の顔に影が差した。それを不自然に思わなかったのは、随分と穏やかな目をしていたからだろう。
「…俺、もう戻るわ」
「悟…!?」
普段とは全く違う様子の悟はおかしかった。何が気に障ったのか。
いつもと違うのは、狂乱Aがいる事だけ。
だが、彼女はただ自己紹介をしただけで何もしていない。
だからその時は、悟の気紛れだと思っていた。
後で聞いた。
悟は、彼女が普通ではないと一目見て分かったそうだ。
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憂流(プロフ) - つっきーさん» こちらこそありがとうございます!とても丁寧に、そんな風に言って下さり、本当に嬉しいです…! (2021年8月4日 9時) (レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
つっきー - 訂正…このカプ?が一番好きです (2021年8月3日 23時) (レス) id: eaffa75066 (このIDを非表示/違反報告)
つっきー - もう何年か占ツク読んでんだけど、こんな読み終わった後に満足感と達成感を味わったのは初めてです…。有賀うございました、何気に今まで見た中でこのカプ?が好きです。 (2021年8月3日 23時) (レス) id: eaffa75066 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:憂流 | 作成日時:2021年4月5日 21時