#15 ページ16
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『センパイお土産何が良いですか?』
「ああ、任務の?それなら灰原から既に聞かれたけど」
『えっ!?…そーなんですか、ちょっと残念です。
…あ、灰原と七海が呼んでるんで行ってきますね!お土産期待してて下さい!!』
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ほんの数日前まで、楽しそうな姿を見せていたのに。
「何て事は無い2級呪霊の討伐任務のハズだったのに…!!クソッ…!!産土神信仰…アレは土地神でした…1級案件だ…!!」
七海は悔しそうに吐き捨てる。一方のAは横たわる灰原をただ見つめていた。
灰原が死んだ。
正直、まだ受け入れられていない私がいた。
しかしそれを表に出すつもりは一切ない。
「今はとにかく休め、七海、A。任務は悟が引き継いだ」
「…もうあの人1人で良くないですか?」
否定は出来なかった。否、肯定しか最初から無い。
悟は最強だから。
『…私もまだ戦えた…』
今まで黙っていたAが口を開いた。
『なのに…なのにあの人が私のえ__』
「A」
思ったより低い声が出た。そのせいか、Aの華奢な肩が大きく揺れる。
「部屋で休め」
Aは悔しそうに俯く。拳を強く握りしめる、弱々しく返事をした。
『…甘かったなぁ…私』
去り際に言った言葉の意味は、私にはよく分からなかった。
''センパイ、許せないなら許さなくていい。壊したいなら壊していい。
でもね。私が好きなセンパイは、いつも誰かの為に動いてましたよ。
此処で止めるのは今まで助けた人、失った人に失礼です。センパイなら、分かってるでしょう?
価値ならありますよ。呪術師になったから私は夏油センパイに会えた''
君は、堕ちそうな私を救ってくれたのに。そんな君に、掛ける言葉が見つからなかった。
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憂流(プロフ) - つっきーさん» こちらこそありがとうございます!とても丁寧に、そんな風に言って下さり、本当に嬉しいです…! (2021年8月4日 9時) (レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
つっきー - 訂正…このカプ?が一番好きです (2021年8月3日 23時) (レス) id: eaffa75066 (このIDを非表示/違反報告)
つっきー - もう何年か占ツク読んでんだけど、こんな読み終わった後に満足感と達成感を味わったのは初めてです…。有賀うございました、何気に今まで見た中でこのカプ?が好きです。 (2021年8月3日 23時) (レス) id: eaffa75066 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:憂流 | 作成日時:2021年4月5日 21時