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好き。……好き?
Aが、私を…?
確かに、最近で言えば硝子よりもAと仲が良いと思っている。慕われている、そう自覚していた。そこから恋愛に繋がらないとどうして言い切れる?
「…A…」
僅かに声が上擦った。
『…灰原も、七海も、家入センパイも、皆好きだけど夏油センパイが1番好き。夏油センパイは?私が嫌いですか?』
………………。
何となく察した。Aの好きは親愛だ。''love''ではなく''like''だ。
「…いや…好きだよ」
ああ……。どこまでも純粋な彼女。
そして…
それとは間反対の私。
少しがっかりした自分がいた。
その無垢な笑顔を自分だけに向けさせられる、自分のものに出来る。
それは、親愛と呼ぶにはあまりに汚れ、愛と呼ぶにはあまりにちっぽけだ。
''好き''…。好き、とは何だろうか。私が狂乱Aを好いているのはきっと確かだ。だがそれを、どれに当てはめれば良いのかは分かりかねる。
硝子や悟、灰原や七海に向けるそれとは違う。かと言って、矢張り愛とするには今一しっくり来ない。
そして、その事を誤魔化し、且つ親愛を向ける先輩として見せているのだから…私は狡く汚い人間だ。
『…1番好き?』
「それは…」
『…分かった、五条センパイだ』
……確かに、一応親友ではあるが。1番好きと言われると正直気分は良くない。悟が聞いたら盛大に嫌な顔をされそうだ。
『…狡いなぁ……。全部持ってて』
そういえば。
Aの好きな人の括りに、悟は入っていなかった。
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憂流(プロフ) - つっきーさん» こちらこそありがとうございます!とても丁寧に、そんな風に言って下さり、本当に嬉しいです…! (2021年8月4日 9時) (レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
つっきー - 訂正…このカプ?が一番好きです (2021年8月3日 23時) (レス) id: eaffa75066 (このIDを非表示/違反報告)
つっきー - もう何年か占ツク読んでんだけど、こんな読み終わった後に満足感と達成感を味わったのは初めてです…。有賀うございました、何気に今まで見た中でこのカプ?が好きです。 (2021年8月3日 23時) (レス) id: eaffa75066 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:憂流 | 作成日時:2021年4月5日 21時