好き、嫌い、やっぱり愛してる【五条悟】

#40 ページ43

大嫌いだった誕生日に五条悟と付き合う事になり、それから何日か経った。

恋人関係になると、きっと毎日が幸せな日々になると期待していたけど……





『ねえ、硝子…！私達って付き合ってるのよね！？』


久しぶりのファミレス。勢いよく言った私の言葉に、硝子は面倒臭そうに顔を顰める。

『前よりは優しい目で見てくれる様になったけど…何だか全然変わらない気がするの』

「そんなもんじゃね」

…そんなものなの…！？

私が想像しているのはもっと甘い筈なのだけれど。サバサバしすぎじゃないのかしら。

『…もっと…その、近づきたいのに…』

ハグしたり、手を繋いだりすらしてない。…キスだって、あの日以来してない。

「私じゃなくて五条に言いなよ」

それはそうだけど、どうしてか言えないのよ。彼はそんな気ないかもしれないじゃない。

それに、当の五条悟は夏油君と遠出の任務中。帰ってくるのは明後日だ。


『…寂しい…』


会いたい。五条悟の声が聞きたい。漸く付き合えたのに、想いが募り過ぎて胸がキュッ、と苦しくなる。

「だから五条に言えって」

『痛っ！！』

強めのデコピンをされ、涙が出そうになった。涙目になりながら、硝子に抗議すると鼻で笑われる。

「別に言わなくても分かるでしょ？」、そう言葉を紡がれた。前もそう。弱音を吐いて、硝子に怒られた。

「安心しなって。Aが面倒なのは今更だし。五条も十分分かってる」

…安心していいの…？慰められてるのか貶されているのか微妙じゃない。でも、不思議なことに元気は出る。

『…連絡する』

「ん」

それでいい、と硝子は満足そうに頷いた。

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