第百四十五話 ページ48
ー無惨視点ー
目障りな柱共。止めを刺しきれていない。
致命傷もとうに負っている筈。だが死んではいない。
珠世の鬼が手当てをしている。完全に死ぬまでは戦うつもりだ。
止めを刺せなかったのは此奴のせいだ。いや、此奴だけではない。
あの小娘。私が攻撃を出した瞬間、厄介な血鬼術を使った。そのせいで、柱共に当たる筈のものが幾つか相殺されている。強さは精々下弦の壱か上弦の底辺程だというのに。
鬼狩りという組織が数珠繋ぎとなって、それ自体が1つの生き物の様に私を絡めとらんとしている。
「夜明ケマデ三十五分!!」
戦いは終わりだ。これ以上危険を犯す必要がない。
**
「伊黒さん!A!無惨が分裂する!!細かく飛び散って逃げる!!」
『「!?」』
無惨を見て、炭治郎が叫んだ。
分裂して逃げる…!!縁壱さんの時と同じ…!そんな事されたら手に負えなくなるかも…!
3人で12箇所一息に斬り込まないと。
そう思った時……
ビキ
何故か無惨の分裂が突然止まった。
止めたのではない。出来ないのだ。
『…っ、』
ああ……。
しのぶさん。珠世さん。
陰でずっと、無惨を倒す為に力を注いでいた人。
私が助けられなかった人。
絶対に終わらせるよ。
大嫌いな死を、無惨の元へ───────。
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作者名:憂流 | 作成日時:2021年1月31日 10時