第百一話 ページ4
そんなこんなで柱稽古が始まった。数週間後にはむいくんの所にも隊員が来て、みんな稽古に励んでいる。
私も他の隊員に混ざって稽古を受けていた。教えて貰うだけじゃなく、見学して学ぶ事で新たに知ることは多かった。
ただ私が鬼のせいか、少し好奇の目で見られるのは慣れなかったが。むいくんが最初に駄目だと言ったのは、そのせいかもしれない。
そして、全快した炭治郎も宇髄さんの稽古を終えた後、むいくんの稽古をしにやって来た。
「炭治郎、さっきより速くなってるよ。筋肉の弛緩と緊張の切り替えを滑らかにするんだ。そうそう、そうしたら体力も長く保つから」
流石炭治郎。むいくんの指導にちゃんとついて行っている。と、思っていたら…
「足腰の動きも連動しててばっちりだね。次の柱の所に行っていいよ、炭治郎」
5日目にしてそう言われた。しかも満面の笑みで。
「えっ、もういいの!?」
「いいよ」
「5日しか経ってないよ?」
「だって炭治郎言ったことちゃんと出来てるもん」
「ええ〜〜」
ニコニコ笑いながら炭治郎と話すむいくんを壁側に座って見つめる。何だろう…いや別にいいんだけど…。
むいくん炭治郎に対して優しすぎない!?
え、私あんな笑顔向けられた事ないんだけど…!意地悪で素っ気ない事多いし!
…一応…むいくんって私の事好きなんだよね?
ついつい口を突き出して、ブスっと拗ねたような顔になってしまう。
『(恋人でもなんでもないけど……でもなぁ…)』
炭治郎に妬くなんて、私は嫌な奴だ。
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作者名:憂流 | 作成日時:2021年1月31日 10時