第百十八話 ページ21
「これで私を追い詰めたつもりか?貴様らがこれから行くのは地獄だ!!目障りな鬼狩り共!今宵皆殺しにしてやろう!」
「地獄に行くのはお前だ無惨!!絶対に逃さない!!必ず倒す!!」
『勝つのは私達だ!!』
私に気付いた無惨は、一瞬目を大きくした後、怪しく笑った。
「やってみろ!できるものなら!竈門炭治郎!!小娘!!」
そのままみんな落下して行く。落下の圧で上手く体勢が整わない。
鬼だし死なないから…叩きつけられるけど底に…
「A!」
『!』
柵から身を乗り出し、此方に手を伸ばすむいくんが見えた。
私は必死でその手に自身の手を伸ばす。むいくんの手は私の手首を掴んだ。
「ーッ、!」
落下の勢いそのままズシっと圧がかかり、むいくんが顔を顰めた。
手が離れそうになった時、新たに大きく太い手が私の腕を掴み、上に引き上げられる。何とか底に叩きつけられる事なく、無事に畳の上に着地する事が出来た。
私は肩を回しているむいくんを見る。目が合うと、むいくんはふいと横を向いた。
『…むいくん、ありがとう。肩大丈夫…?』
「……Aが重過ぎて肩外れるかと思った」
『んな!?そんな重くは…!!』
私が反論すると、「嘘、逆だよ」とむいくんは視線を逸らし呟く。
逆という事は…?
「此処で話している暇はない」
その声にハッとして顔を上げる。私やむいくんより、遥かに大きな人がそこにいた。
『悲鳴嶼さんも…ありがとうございます』
「礼はいらない。覚悟は出来ているのだろう」
『!、はい!!』
「ならいい。行くぞ」
無惨の元を目指して、私達は摩訶不思議な空間を走り出した。
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作者名:憂流 | 作成日時:2021年1月31日 10時