第4話 : 本音 ページ7
貴方side
桜が完全に散って、緑の葉が目立ち始めた季節。
私と神代くんは今日もまた、屋上へと来ていた。
『自立型ロボット？』
類「そう。このロボットは人が操作しなくても動くんだ」
『へぇ、すごい！！』
あの日から神代くんは、作りかけのドローンやらロボットやらをちょくちょく持ってくるようになった。
そして、屋上で機械いじりを始めるのだ。
たまに出来上がった完成品を、私にも見せてくれる。
『神代くん、最近よくロボットとか見せてくれるよね。どうして？』
類「え…。どうして、かな」
神代くんは1度こちらをチラッと見たが、直ぐに機械いじりに戻った。
ドライバーや専門道具で、カチャカチャと。
あまりの鮮やかな手つきに、思わず見とれてしまう。
類「ふっ…」
『ん？』
類「こうして君が、興味津々で見てくるから…かな？」
『……！！』
ようやく気づいた。
夢中に見るあまり、身を乗り出して神代くんの手元を凝視していたのだ。
(またやっちゃった…)
夢中になるあまり周りが見えなくなる癖は、いい加減何とかしないといけないな。
反省しながら神代くんから少し離れた。
『ごめん』
類「謝ることはないよ。その反応が面白くて、僕もここで機械いじりをやっている節があるからね」
『いじわる…』
類「なんとでも言ってくれたまえ」
前々から思っていはいたがこの男…
かなりのＳなのでは…
『そのロボットはみんなショーに使うの？』
類「そうだよ。ロボは演出を良くするために作っているからね」
『へえ、どんなショー？誰かとやったりしてるの？』
類「」
(あ…しまった)
神代くんの答えを聞く前にそう思った。
完全に彼の地雷を踏んだ。
表情には一切出ていないが、神代くんの心の空気を体全身で感じ取った。
彼の触れてはいけないところに、触れてしまったんだ。
類「今は一人で、道端とかでやっているよ」
『……』
なんと返事をしたらいいのか分からず、1秒くらい沈黙してしまった。
『そうなんだ。ショーって1人でもできるんだね』
類「まあね」
答え方が単調になってきている。
これ以上は触れてほしくないんだろう。
(でも…逃げるなんて神代くんらしくないな)
思っていたより、私もSっ気があるのかもしれない。
『神代くん、ショーって楽しいの？』
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そら(プロフ) - 穂花さん» 類くんの優しさを少しでも表現できていたら嬉しいです！ (2023年1月7日 11時) (
レス) id: 60384b3469 (このIDを非表示/違反報告)
穂花 - 類くんの優しさがとても感じられました。 (2022年11月6日 21時) (レス) @page14 id: 088ffe93fa (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - てるっぴーさん» ありがとうございます！更新遅くなってしまってごめんなさい！良ければまた見に来てくれると嬉しいです！ (2022年10月10日 11時) (レス) id: 60384b3469 (このIDを非表示/違反報告)
てるっぴー(プロフ) - コメント失礼します。めちゃくちゃドストライクなお話です！自分のペースで更新頑張ってください！ (2022年9月10日 10時) (レス) @page10 id: 312a74a89f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そら | 作成日時：2022年8月17日 17時
