第4話 : 本音 ページ8
貴方side
神代くんは機械いじりの手をピタッと止めた。
目を見開いて、驚いた様子でこちらを見た。
(あの神代くんがこれほど感情表現するなんて…珍しい)
類「ああ、ショーで人を笑顔にすることが僕の夢だからね。1人でショーをするのは楽しいよ」
『そっ…か…』
ショーで人を笑顔にする…この部分は本当なんだろう。
神代くんの夢は立派だ。
しかし、後半部分はおそらく違う。
口に出して、自分に言いかけているように感じる。
神代くん、本当は…。
『神代くん、私…』
類「うん？」
「私も一緒にショーをしようか？」と言いかけた。
でも、途中で踏みとどまった。
私はショーについて関心がない。
そんな嘘っぱちの仲間は、神代くんは欲していないだろう。
『えっ…とね』
類「何かな？」
仲間になる以外で、神代くんの欲している言葉を探した。
が、見つからない。
『……』
類「？」
(それにしても分かりにくい！他の人なら、表情見れば1発で欲しい言葉を言ってあげられるのに…)
彼はとにかく顔に出ない。
感情表現はちゃんとするんだけど、それには建前も含まれている。
彼の本心が分からない。
類「…Aくん、分からないなら、無理に言葉を絞り出さなくてもいいんだよ？」
『！！』
類「人にはペースというものがあるからね」
私は何を迷っていたんだろう。
できるだけ神代くんを傷つけないようにと言葉を探っていた。
強く触れたら壊れてしまう、赤ん坊のように…
でも、彼にはそんなもの必要ないじゃないか。
神代くんは十分、自分の足でしっかりと立てているんだから。
『神代くんの夢、立派だね！』
類「！…えっと、急にどうしたんだい？」
神代くんの前で気を使うことは無い。
思いっきり、私の思ったことを言おう。
『1人でショーができるってことは、演出も演技も道具作りも、全部一人で出来るってことでしょ？本当にすごいよ』
類「……」
『…神代くん？』
類「…！ああ、すまない…そんなに褒められたのは久しぶりでね。ありがとう」
ブワッと心臓あたりで何かが吹き上げた。
(…なんだ)
神代くんには、私の本音を言ってもいいんだ。
心を読み取ろうとしなくてもいい。
神代くんはきっと、私のどんな言葉も受け止めてくれる。
不思議とそんな気がした。
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そら(プロフ) - 穂花さん» 類くんの優しさを少しでも表現できていたら嬉しいです！ (2023年1月7日 11時) (
レス) id: 60384b3469 (このIDを非表示/違反報告)
穂花 - 類くんの優しさがとても感じられました。 (2022年11月6日 21時) (レス) @page14 id: 088ffe93fa (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - てるっぴーさん» ありがとうございます！更新遅くなってしまってごめんなさい！良ければまた見に来てくれると嬉しいです！ (2022年10月10日 11時) (レス) id: 60384b3469 (このIDを非表示/違反報告)
てるっぴー(プロフ) - コメント失礼します。めちゃくちゃドストライクなお話です！自分のペースで更新頑張ってください！ (2022年9月10日 10時) (レス) @page10 id: 312a74a89f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そら | 作成日時：2022年8月17日 17時
