第3話 : 特技 ページ5
貴方side
あの日から、私は毎日不定期に屋上へ訪れた。
昼休みだったり、放課後だったり、授業中だったり。
彼が屋上にいない時もあったが、しばらく待っていると彼は必ず現れた。
しだいに、彼と顔を合わさない日はなくなっていった。
類「やあAくん。今日はサボりかい？」
『自分も同じくせに』
類「まあね」
今日は4時間目をすっぽかした。
私だって、何も考えずにサボってる訳では無い。
得意科目など、授業を受けなくてもいいと判断した時だけだ。
『あれ、何やってるの？』
彼は手にコントローラーのような物を持っていて、何かを操作していた。
類「ああ、これはね……」
彼の答えを待っていると、頭上から機械音がしてきた。
ふと見上げると、そこには黒い物体が浮いていた。
『わぁあ！？』
思わず大声を出してたじろいでしまったが、よくよく見ると…
『……ドローン？』
類「うん。今試運転をしていてね、どうやら問題ないようだ」
校則的にドローンを持ち込んで、しかも飛ばしてもいいんだろうか。
(……ん？)
『試運転って……まさか神代くんが作ったの！？』
類「そうだけど…」
『すっごい！！』
類「！」
改めて、自分の前に浮いているドローンをまじまじと見た。
効率重視に考え抜かれたホルム、プロペラの音が最小限に抑えられてるし、マイクにカメラまでついている。
とても自作とは思えない。
類「あ、あのAくん？そろそろ…」
『ん？……わ！？』
ふと我に返ると、彼の顔のすぐ近くまで接近していた。
ドローンを見るのに夢中で、彼の方に近づいているのに気が付かなかったんだ。
慌てて彼と距離を取り、顔が火照っていないか両手で頬を触って確認した。
『ごごごごめん！つい夢中になっちゃって！』
類「ふふふ、ずいぶん熱心に見ていたけど、ドローンを見るのは初めてなのかい？」
『や、そうじゃなくて…。ただ、すごいなあって』
類「…」
彼の、今はどういう時の表情なんだろう。
悲しそうな、懐かしそうな、物足りなさそうな
色んな感情が渦巻いている気がする。
類「おや、ありがとう。そう言って貰えて嬉しいよ」
『……』
彼の少しの沈黙を誤魔化された。
今は掘り返さない方が良さそうだ。
『他にも何か作ったりするの？』
類「ロボットとかかな、他にも機械いじりは色々するよ」
何者なんだコイツ…
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そら(プロフ) - 穂花さん» 類くんの優しさを少しでも表現できていたら嬉しいです！ (2023年1月7日 11時) (
レス) id: 60384b3469 (このIDを非表示/違反報告)
穂花 - 類くんの優しさがとても感じられました。 (2022年11月6日 21時) (レス) @page14 id: 088ffe93fa (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - てるっぴーさん» ありがとうございます！更新遅くなってしまってごめんなさい！良ければまた見に来てくれると嬉しいです！ (2022年10月10日 11時) (レス) id: 60384b3469 (このIDを非表示/違反報告)
てるっぴー(プロフ) - コメント失礼します。めちゃくちゃドストライクなお話です！自分のペースで更新頑張ってください！ (2022年9月10日 10時) (レス) @page10 id: 312a74a89f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そら | 作成日時：2022年8月17日 17時
