第20話 ページ21
貴方side
「お姉さん…僕のせいで学校行ってないんでしょ…？」
『！』
「だから…僕のことはいいから…学校行ってきなよ」
布団を握りしめて、顔まで埋めてしまった
寂しがってるのか、嫌がってるのか
どちらにしても、転弧くんは私に本当は行ってほしくないんだろうな…と思うのは、私の願望だろうか
『…そうだね。近いうちに、行かないといけなくなる』
「…」
『でもね…転弧くん』
布団から少し出ている頭を、もう一度撫でてみた
転弧くんはゆっくりと布団から顔を出し、私を見つめた
『転弧くんが望むなら、私は学校を辞めたっていいんだよ』
「!!」
『学校やめて、フリーターになってもいい。この際だし医者を目指すのもいいな。働かずに、転弧くんと一緒にいたっていい』
「どうして…そこまでするの？」
『言ったろ？私は今、転弧くんが1番なんだ』
転弧くんの目が見開いた
私も、首を傾けて笑いかける
「……お姉さんは、ヒーローになりたいの？」
『え？どうして？』
「昨日…ヒーロー仮免許って…」
『ああ…』
昨日、男2人と戦った時口をすべらせたんだった
転弧くん聞いてたのか
『うん。目指してる…
私の通ってる高校も、雄英高校って言ってね。ヒーローをたくさん生み出してる高校なんだよ』
「…」
『転弧くんも、ヒーローなりたい？』
「…ダメだって言われた」
『誰に？』
「…」
転弧くんが顔をポリポリとかきはじめた
無意識だろう、熱で意識もはっきりしていないし
私が思う、この転弧くんの症状は…ストレスだ
転弧くんの中にある感情を、押さえ込もうとして体が悲鳴をあげて…
『どうして…ヒーローなりたいの？』
「ヒーローは優しくてかっこいいから…僕もなりたい」
『…』
どこかの文献で読んだことがある
人は、生まれ持つ感情はもともと善だという
子供は特にその感情が強い
子供はよくヒーローになりたがる
転弧くんは、何も悪いことは言っていない
誰がこの子の「善」を否定したんだろう…
それを否定されたらもう…「悪」しか残らないのに
『なれるよ。転弧くんはヒーローになれる』
「！……今、なんて…」
『転弧くんはヒーローになれるって言ったんだ。
君は優しいから、きっと皆を思えるヒーローになるよ』
こぼれ落ちた涙をぬぐう振りをして、転弧くんの頬に手を当てた
そして…さっき転弧くんがかいた傷を治した
続く (更新停止中)
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そら(プロフ) - 白兎さん» ありがとうございます！とても嬉しいです！マイペースながら、頑張って投稿していこうと思います (2023年1月21日 19時) (
レス) id: 60384b3469 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - 真白さん» ありがとうございます！そう言ってもらえて嬉しいです！ (2023年1月21日 19時) (レス) id: 60384b3469 (このIDを非表示/違反報告)
白兎 - こういう小説を求めていたのでこの小説に出会えて良かったです、、これからも体調を崩さない程度に投稿していただけたらありがたいです (2023年1月17日 23時) (レス) @page8 id: 0b3ef26d69 (このIDを非表示/違反報告)
真白 - このケースの話は見たことなかったので楽しみです！ (2023年1月15日 23時) (レス) @page8 id: 1bd364c53c (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - シロヌコさん» ありがとうございます、これからもマイペースに投稿していきます！暇な時にでもまた見に来てくれると嬉しいです (2023年1月15日 22時) (レス) id: 60384b3469 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そら | 作成日時：2022年8月30日 23時
