第16話 ページ17
貴方side
『ごめんね…』
「お姉さんのせいじゃないでしょ」
次の日、転弧くんは熱を出した
体温計を見れば、ギョッとするような高熱
「はぁ…はぁ…」
『…』
私が見つけるまでかなり時間がかかってしまった
その間もあの寒さの中、雨に打たれ続けていたら…
転弧くんはまだ子供だ
風邪をひくのは当たり前だった
『しんどいね…他に辛いところはある？』
「ない…」
『何か食べれそう？』
転弧くんは軽く頭をふった
しかし何か食べなくては治るものも治らない
薬だって飲めないし
おかゆ…は、失敗する確率が高いからな
リンゴでも向いてこよう
そう思い至り、転弧くんの部屋を出た時だった
ピンポーンとチャイムが鳴った
『ん？はいはーい』
ガチャ…
『どちら様………げ！』
「何がげ、だ」
玄関の扉を開けると、そこに立っていたのはクラスメイトの相澤消太だった
不機嫌そうにこちらを見てくる
『ごめん…今は忙しいからまた今度…』
「そうはいくか。邪魔するぞ」
『え!?ちょ、ちょっと！』
相澤は半ば無理やりに家の中へ入ってきた
クラスの中でも、相澤、山田、白雲とは特に仲良くしている
このメンツにとって一人暮らしの私の家は、格好のたまり場だった
だがしかし、今は本当に勘弁してほしい
『本当に今は立て込んでるんだってば！』
「何がだ？」
『そ…それは』
「お姉さん？」
私が転弧くんのことを言うのを絞っていると…
私たちが廊下で騒いでるのが気になったのか、転弧くんが部屋の扉からひょっこりと顔を出した
『転弧くん!?ダメだよ、熱あるのに動いちゃ…』
「その人は？」
『あ…えっと…』
「相澤消太。コイツとは
「ふぅん…」
なんだ？2人とも、目を細めて険悪な雰囲気
て、私は萎縮している場合じゃない
『転弧くん？ほら、布団に戻って、ね？』
「…」
まだ納得してない目で見てくる子供を抱き上げ、布団に寝かせた
お腹あたりを布団越しに、一定のリズムで優しく叩く
「…ねぇ」
『ん？』
「あの人、ほったらかしていいの？」
熱で弱っていると1人は寂しいだろう
それに相澤なら、うちに来慣れてるから適当に時間を潰すだろうし
『いいの。今は転弧くんが1番』
「ふぅん…」
転弧くんはそれだけ言い残すと、そっと目を瞑った
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そら(プロフ) - 白兎さん» ありがとうございます！とても嬉しいです！マイペースながら、頑張って投稿していこうと思います (2023年1月21日 19時) (
レス) id: 60384b3469 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - 真白さん» ありがとうございます！そう言ってもらえて嬉しいです！ (2023年1月21日 19時) (レス) id: 60384b3469 (このIDを非表示/違反報告)
白兎 - こういう小説を求めていたのでこの小説に出会えて良かったです、、これからも体調を崩さない程度に投稿していただけたらありがたいです (2023年1月17日 23時) (レス) @page8 id: 0b3ef26d69 (このIDを非表示/違反報告)
真白 - このケースの話は見たことなかったので楽しみです！ (2023年1月15日 23時) (レス) @page8 id: 1bd364c53c (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - シロヌコさん» ありがとうございます、これからもマイペースに投稿していきます！暇な時にでもまた見に来てくれると嬉しいです (2023年1月15日 22時) (レス) id: 60384b3469 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そら | 作成日時：2022年8月30日 23時
