＊遷宮寺ノ巫女ハ影ヲ操ル＊【壱】

11. 自分のために ページ11

「悟、寮を案内してやれ。それから諸々の警備(セキュリティ)の説明もな」

「ん？」

「合格だ。ようこそ、呪術高専へ」






その言葉に嬉しそうに笑い、返事をしようとした時＿






「あっ、スマン」






呪骸に殴られた。
如何やら術式を解くのを忘れていたらしい。



＿＿＿

＿＿＿＿＿＿



「次は君に問おう、呪術高専に何しに来た」

『妾が何をしに来た...か』






遷宮寺は微笑みを浮かべ『悠仁を気に入っておるからじゃ』と言った。






『妾は正直、妾のお陰で誰かが助かろうと呪霊の所為で誰かが死のうと如何でも良い』

「...」

『ならば何故来たか？答えは簡単じゃ、悠仁の死に場所に立ち会いたい...と言えば良いかのう？』

「何故だ？」

『気に入っておるからじゃ、単純にな。
それに、妾が此処に来なければ悠仁に二度と会えん様な気がしてな』






折角見付けた玩具を手放すのは惜しい＿それが遷宮寺の本音だ。






「その為だけに命を懸けられると？」

『懸けられる』

「！」

『妾は命の重さも尊さも知っておる。じゃから、悠仁が死ぬまでは側に居て見ていたい...そう思っただけじゃ』






死を経験しているから言える事だ。
遷宮寺は一度目は寿命で、二度目はこの世界に転生してくる時に。






『それと...ただ単に善人が抵抗する間も無く殺されるのは気に入らん』

「...成る程、良いだろう。合格だ」

『妾が言うのも何じゃが、それで良いのか？』

「呪術師になるのに善悪は関係ないからな」

『成る程』






と、言う事で遷宮寺は女子寮に案内された。

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