9:護衛 ページ9
side→高杉
「んん〜っ!!」
締まりのねェ面とは正しくこの事か。
テーブルに広げられた甘味の数々は見てるだけで異がどうにかなっちまいそうな位に甘い匂いをさせている
「だらしねェ」
「はぁ、この幸せがわからないなんて可哀想に」
「ンなに締まりのねェ面になる幸せなんざ御免被るね」
「何を。晋助の寝顔の方がよっぽど締まりありませんよ」
相変わらず減らねェ口に睨みを利かせるが、Aは全く意に介さぬと言うように肩を竦めて見せた
「おー怖い怖い」
チッと思わず舌を打つ。
別に此処に連れてきたことを後悔してはいないが、甘味に舌鼓を打つコイツの顔は兄貴にそっくりで、苛立ちが募る
「……おい、」
「なんれふか」
「……生クリームついてんぞ」
まるでガキだな。
思っても口にせずに居れば、ふと、視界に見たくもねェ制服がちらついた
「あー、すみませ───」
「御用改め!真選組でーィ!!」
そんな声と同時に爆発音。
そしてふわりとした浮遊感と白檀の香りに包まれた。
ぐしゃぐしゃになった店からは煙が上がり、Aは何食わぬ顔で俺から離れた
「……行きましょうか晋助、此処に居るのは不味そうです」
「あァ……行くか」
何の用件で真選組が現れたのかは知らねェが、互いに外傷がなかったために、それ以上掘り下げることは止める。
暫く歩き、甘味屋から上がる煙が遠くなった頃、先導するように歩いていたAが振り返った
「怪我、ありません?」
「誰かさんのお陰でな」
「そりゃ良かった」
得意気な顔でそう言うAを、それ以上誉めることもせず、偶々視界に入った呉服屋に足を向ける
「……着物でも新調するか」
「良いですね。貴方は直ぐに着物をダメにしてしまいますから」
「るせェ」
「ついでに髪結い紐もどうですか?随分延びたようですし」
「……お前が切れ」
「えー、変な髪型になっても知りませんよ」
優秀な護衛殿は、そう言いつつも何処か嬉しそうに微笑みを浮かべていた
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姫華(プロフ) - とても面白いです!これからも更新頑張って下さい! (2019年6月8日 23時) (レス) id: c5633e9a43 (このIDを非表示/違反報告)
麦ちゃん - 本当に面白いです!これからも頑張ってください。応援しております! (2019年3月9日 17時) (レス) id: ad939e8b4e (このIDを非表示/違反報告)
千颯(プロフ) - ああぁぁぁ〜!おかん体質の夢主ちゃんすこ過ぎます〜!!更新頑張ってください! (2019年3月9日 1時) (レス) id: ee8ee87e1d (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃむーしゅ(プロフ) - とても面白いです!これからの展開が楽しみです。 (2019年3月2日 9時) (レス) id: d836fbb346 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:東雲出雲 | 作成日時:2019年3月2日 0時