6:居酒屋 ページ6
賑やかしい居酒屋の奥まった座敷。
晋助が好まなさそうな大ジョッキのビールと居酒屋ならではの雰囲気を持った小鉢のツマミ。
「良いのでござるか、晋助を残し船を出るなど」
冷酒を片手に、居心地悪そうな河上に謎の優越感を覚える。
「寝てますからね。バレなければ何と言うことはありませんよ」
キンキンに冷えたジョッキを持ち上げてビールを流し込む。
この時ばかりは酒に弱い体質でなくてよかったと丈夫に産み落としてくれたお母さんに感謝する。まぁ顔見たこともないけど
「晋助をそのように言えるのは主だけであろうな」
「まぁ、そこそこ長い付き合いですから」
枝豆を齧りながら、折角ならカウンターにでも座って居酒屋の雰囲気を味わいたかったなと考える
「A殿も、攘夷戦争に出ていたそうでござるな」
こつん、と汗をかいたコップをテーブルに置いた河上が、いやに真剣な顔をしてそう言った。
正直な所、その話には触れたくない私は、またも河上から目を反らし曖昧な答えを返す
「ええまぁ、微力ながら」
「その主が天人と手を組もうなどと申したのは何故でござるか」
「……だがら、酒の席で────」
「隠し立ては無用。
春雨の件を任された拙者が、発案者の真意を知らぬと言うのも良くはなかろう。いつ何時、どのような手が必要となるかわからぬ故な」
にやりと口角を上げて見せた河上に、私は最早無意識に溜め息を吐く
「流石と言われなくてはならないのは貴方では?」
「なにを。拙者はただA殿を真似ているだけでござるよ」
河上がヘッドフォンを外し、サングラスを取った。
「これでお互い丸裸。腹を割って話せるでござろう」
・
236人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
姫華(プロフ) - とても面白いです!これからも更新頑張って下さい! (2019年6月8日 23時) (レス) id: c5633e9a43 (このIDを非表示/違反報告)
麦ちゃん - 本当に面白いです!これからも頑張ってください。応援しております! (2019年3月9日 17時) (レス) id: ad939e8b4e (このIDを非表示/違反報告)
千颯(プロフ) - ああぁぁぁ〜!おかん体質の夢主ちゃんすこ過ぎます〜!!更新頑張ってください! (2019年3月9日 1時) (レス) id: ee8ee87e1d (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃむーしゅ(プロフ) - とても面白いです!これからの展開が楽しみです。 (2019年3月2日 9時) (レス) id: d836fbb346 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:東雲出雲 | 作成日時:2019年3月2日 0時