4:ガキ ページ4
「ンながぶがぶ呑むもんじゃねェよ」
味わえ。
そう言って晋助は不貞腐れたまま盃を差し出した。
「私にとってはただの酒です」
盃に透明な液体が注がれる。
どこか他人事に思いながら徳利を床に置くと、晋助は窓の外を眺めながら一気に酒を煽った
「いつまで拗ねてるんですか。つーか何で拗ねてるんですか」
「あ?……拗ねてなんざねェよ」
餓鬼じゃあるまいし。そう続いた言葉に溜め息を堪えてさいですかと応える。
「じゃ、春雨との件、黙ってたのは何故ですか」
「聞かれてねェからな」
「……クソガキめ」
思わず零れた言葉に、晋助が反応する。
「ガキねェ?」
くくっ、と喉を鳴らすような独特の笑い方に、私は晋助の手から盃を取り上げた
「おい、何しやがる」
「ガキはおねんねの時間ですよ。子守唄は要り用ですか」
「チッ、お前ェの方がガキじゃねェか。作戦を話さなかったのがそんなムカつくか」
ギロリと隻眼が私を見上げるが、どうってことはない。
「いーえ?私は大人ですから」
離れた場所に盃を置き、押し入れから布団一式を取り出す。
ふわりと薫ってきた白粉の香りに、また女でも連れ込んでいたのかと考える
「おい」
どさり、と布団を畳に落とし広げて整える。
放置された盃を重ねて徳利も取り上げる。
多少機嫌を損ねてもそうしなくては、彼は直ぐに寝酒をする
「何をしても構いませんけど、そう勝手に動かれては貴方を守りきる自信、ありませんからね」
おやすみなさい。
そう言って部屋を出た
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姫華(プロフ) - とても面白いです!これからも更新頑張って下さい! (2019年6月8日 23時) (レス) id: c5633e9a43 (このIDを非表示/違反報告)
麦ちゃん - 本当に面白いです!これからも頑張ってください。応援しております! (2019年3月9日 17時) (レス) id: ad939e8b4e (このIDを非表示/違反報告)
千颯(プロフ) - ああぁぁぁ〜!おかん体質の夢主ちゃんすこ過ぎます〜!!更新頑張ってください! (2019年3月9日 1時) (レス) id: ee8ee87e1d (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃむーしゅ(プロフ) - とても面白いです!これからの展開が楽しみです。 (2019年3月2日 9時) (レス) id: d836fbb346 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:東雲出雲 | 作成日時:2019年3月2日 0時