82:勘違い ページ34
「参った……」
今日も今日とて送られてくる分厚い恋文に、最早目を通す気力すらなかった。
あれからと言うもの、毎日毎日便箋五枚にもわたる恋文が屯所の私宛に送られてきているのだ
「またあの女からかィ?」
「私は女だと再三申し上げても、信用していただけず」
返事を書いては誤解を解こうと試みているのだが、全くと言って効果はなく『御冗談がお上手なところも可愛らしくて好きです』と言われる始末。
「うっわ……気色悪ィ」
手紙を読んだ沖田さんが顔をしかめた。
「コイツあんたの事をすっかり恋人か何かと勘違いしてるみてェだな」
「それが困るんですよ。
以前お会いした時に"貴女とはお付き合いできない"と言うと泣きながらの平手打ちを食らいました」
「マジでか」
少し引き気味の沖田さんの顔。
思わず溜め息が漏れる
「挙げ句の果てに両親に会えとまで言われてしまい……完全に参りました」
だからと言って、あの時助けたことを後悔している訳じゃない。
「だからって話が飛躍しすぎなんだよなぁ……」
「んー、打つ手が無ェって訳でもねェぜ」
勢いよく顔を上げた沖田さんが、何かを企むいつもの笑みを浮かべた
「葵屋のみたらしで手ェ打ってやらァ」
「良いでしょう。詳しく聞かせてください」
・
78人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みぃ(プロフ) - コメント失礼します!こちらの作品がとても大好きでいつも楽しく読んでます。更新頑張ってください。応援してます (2019年5月31日 19時) (レス) id: d77d134be6 (このIDを非表示/違反報告)
虎(プロフ) - れもんさん» 楽しみにしてます!私の考えなのですが、伊東さんは、もしかしたら愛情が欲しかったのかな?と思いました。 (2019年2月19日 23時) (レス) id: f0c523c988 (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - 虎さん» お返事遅くなり申し訳ありません。コメントありがとうございます!!伊東さん…確かに頭が良くて何と無く怖い印象があるのわかります…でも生い立ちもラストも切なくて……。真選組動乱編終了までもう少しですので楽しんでいただけるよう頑張ります! (2019年2月18日 23時) (レス) id: af4b9b062a (このIDを非表示/違反報告)
虎 - 面白いです!私は伊東さんっていつ見ても少し怖い印象を持っています。 (2019年2月17日 20時) (レス) id: f0c523c988 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:東雲出雲 | 作成日時:2019年2月13日 0時