49:早朝 ページ1
薄明かりの中、私は、思い金属の凶器を手に庭に降りた。
敷き詰められた砂利が音を立てるが、それ以外は、ただ静かに、緩やかに時が流れていた。
鈍色を抜き放ち、正眼に構え、緩やかに振り上げて鋭く振り下ろす。
ビッ、と空気が割けるような音が耳に届けば、今度は素早く振り上げて、勢い良く振り下ろす。
二の腕や肩、腰を立てる事や足の開き、視線、呼吸。
全てを意識しながら、ただ単純に、真剣での素振りを続ける
「今日も精が出るな」
「局長」
振り返り、刀を納めれば、昇り始めた太陽のように明るく温かな笑顔で、局長がおはようと挨拶をした。
それにおはようございますと返せば、局長は手にしていた木刀を私に差し出した
「暫く立ち会い稽古はしてなかっただろ?どうだ、一戦」
素直に木刀を受け取り、是非と二つ返事を返し、局長の後について道場へと向かった。
朝日が差し込み、冷えた空気を吸い込めば、自然と背筋がピンと延びたような気がする。
「準備は良いか?」
「はい、いつでも」
ぐっと木刀の柄を握り締めて、切っ先の向こう、真剣な瞳をした局長を見つめた
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みぃ(プロフ) - コメント失礼します!こちらの作品がとても大好きでいつも楽しく読んでます。更新頑張ってください。応援してます (2019年5月31日 19時) (レス) id: d77d134be6 (このIDを非表示/違反報告)
虎(プロフ) - れもんさん» 楽しみにしてます!私の考えなのですが、伊東さんは、もしかしたら愛情が欲しかったのかな?と思いました。 (2019年2月19日 23時) (レス) id: f0c523c988 (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - 虎さん» お返事遅くなり申し訳ありません。コメントありがとうございます!!伊東さん…確かに頭が良くて何と無く怖い印象があるのわかります…でも生い立ちもラストも切なくて……。真選組動乱編終了までもう少しですので楽しんでいただけるよう頑張ります! (2019年2月18日 23時) (レス) id: af4b9b062a (このIDを非表示/違反報告)
虎 - 面白いです!私は伊東さんっていつ見ても少し怖い印象を持っています。 (2019年2月17日 20時) (レス) id: f0c523c988 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:東雲出雲 | 作成日時:2019年2月13日 0時