6:適正 ページ7
「……で、私は何故この様な状況に?」
袴に着替え木刀を手にし、私は道場らしき場所で十数人の男を前にして座っていた
「ま、適正判断ってやつだな」
ふ、と煙を吐き出した土方殿がそう言う。
彼が口に咥えているものは煙草と言うらしく、煙管と似たようなものだと面倒臭そうに言っていたのを思い出した
「適正……ですか」
「今の世の中帯刀が許されてンのは幕吏か警察かだけだ」
「……納得のいかない世の中になってしまったものですね」
ぼそりと私が呟いた言葉を拾ったらしい土方殿が、わざとらしく咳払いをした
「……だから、テメェを真選組に引き入れてやる。が、勿論素性の知れねェやつをホイホイ仲間にすることはできねェ」
「成る程、そこで¨適正判断¨ですか」
「あぁ、お前が勝ち抜きゃァ晴れて真選組の隊士に。勿論帯刀も許される」
「して、勝ち抜けなければ?」
「刀は没収。ムショで罪を償ってもらうことになるな」
「帯刀すら罪ですか……良いでしょう。それなら何がなんでも勝ち抜かなくてはなりませんね」
ぎらぎらと血走った目をした者も居れば、無理矢理この場に呼ばれたのか、困ったような表情を浮かべる者まで。
ただし、皆一様に自らが紛れもなく手練れであると信じて疑わないような、そんな瞳をしていた。
私は、いつもより幾分か軽い木刀の柄を握り、そっと立ち上がった
「準備は良いか」
「えぇ、何時でも」
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れもん(プロフ) - 月歌さん» ご指摘ありがとうございます!ただいま確認、訂正致しました。対応が遅くなってしまい申し訳ありません。これからもどうぞ宜しくお願い致します (2019年2月18日 23時) (レス) id: af4b9b062a (このIDを非表示/違反報告)
月歌(プロフ) - コメント失礼します!この話すごく好きです!あ、あと、43話の総悟のセリフ、「〜ますァ」より、「〜まさァ」の方が総悟らしさが出ると思いますよ…!余計だったらすいません<(_ _)>これからも応援してます! (2019年2月7日 1時) (レス) id: 6a57b5564a (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - 橋本さん» ありがとうございます!文才と学だなんて……嬉しすぎます…!稚拙な文章ですが、これからも楽しんでいただけるように頑張ります! (2019年2月6日 23時) (レス) id: af4b9b062a (このIDを非表示/違反報告)
橋本(プロフ) - 文才と学の多さに圧倒されました……すきです。ふとしたときの表現だったり言葉で本当に知識のある方なんだなぁと思いました。続き楽しみにしてます、更新頑張ってください! (2019年2月4日 23時) (レス) id: cee43a9737 (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - (о´∀`о)さん» コメントありがとうございます!ゆっくりですができるだけ更新していきたいと思っております! (2019年2月4日 7時) (レス) id: af4b9b062a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:東雲出雲 | 作成日時:2019年1月28日 16時