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42:取っ組み合い ページ43

乱れた息を整えていれば、痛いくらいに捕まれていた腕が解放された。

沖田さんは何もなかったかのように息を整えているが、どうしてこの人は私を引っ張りながら逃げたのだろうか。
───ともあれ、


「ありがとうございます沖田さん」

「あ?」


ぎろり、相変わらず飴色の瞳は厳しく私を睨み付ける。
舌打ちをした沖田さんは、それ以上は何も言わず、倉の地面にドサリと腰を下ろした

私と新八殿、神楽さんも同じように腰を下ろせば、本邸の方から銀時殿と副長の悲鳴が重なって聞こえた。


「やられた。今度こそやられた」



新八殿が耳を塞ぎ体を丸めてそう言った。
確かに今の悲鳴では、助かったとは言い難いだろう。



「しめたぜ、これで副長の座は俺のもんだィ」

「言ってる場合か!」

「オイ、誰か明かり持ってねーかィ」


沖田さんの言葉に懐を探れば、後で局長の為に焚いておこうと持っていた蚊取り線香があった


「蚊取り線香で良ければ」

「何でそんな物持ってんですか…」


蚊取り線香の煙が倉の中に独特の香りを広げる。
いつまでもここに居るわけにはいかないが、かといって副長と銀時殿をやったアレに太刀打ちする術は思い付かない。


「新八、銀ちゃん死んじゃったアルか?ねェ死んじゃったアルか?」


神楽さんの言葉に沖田さんが自分の悪行を告白すれば、二人は取っ組み合いの喧嘩を始めた。

それにしても神楽さんは体術に長けている。
普段鍛えているハズの沖田さんに対等……いや、それ以上にやり返している



「あーもう!狭いのにやめろっつーの!何でお前ら会うといっつも…」



次の瞬間。
新八殿の悲鳴が倉の中に響いたかと思えば、額を襲った凄まじい衝撃に、私はそのまま意識を失うことになった








43:大仕事→←41:敵討ち



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れもん(プロフ) - 月歌さん» ご指摘ありがとうございます!ただいま確認、訂正致しました。対応が遅くなってしまい申し訳ありません。これからもどうぞ宜しくお願い致します (2019年2月18日 23時) (レス) id: af4b9b062a (このIDを非表示/違反報告)
月歌(プロフ) - コメント失礼します!この話すごく好きです!あ、あと、43話の総悟のセリフ、「〜ますァ」より、「〜まさァ」の方が総悟らしさが出ると思いますよ…!余計だったらすいません<(_ _)>これからも応援してます! (2019年2月7日 1時) (レス) id: 6a57b5564a (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - 橋本さん» ありがとうございます!文才と学だなんて……嬉しすぎます…!稚拙な文章ですが、これからも楽しんでいただけるように頑張ります! (2019年2月6日 23時) (レス) id: af4b9b062a (このIDを非表示/違反報告)
橋本(プロフ) - 文才と学の多さに圧倒されました……すきです。ふとしたときの表現だったり言葉で本当に知識のある方なんだなぁと思いました。続き楽しみにしてます、更新頑張ってください! (2019年2月4日 23時) (レス) id: cee43a9737 (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - (о´∀`о)さん» コメントありがとうございます!ゆっくりですができるだけ更新していきたいと思っております! (2019年2月4日 7時) (レス) id: af4b9b062a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:東雲出雲 | 作成日時:2019年1月28日 16時

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