39:拝み屋 ページ40
「え、拝み屋、ですか?」
一人は顔を包帯で覆い、一人は鍔の広い帽子と色眼鏡、もう一人は僧侶の様な格好をした妙ちくりんな3人にお茶を出せば、山崎さんが彼らを拝み屋だと紹介した
「どうも」
「ど、どうも……」
既に隊士の半分以上が原因不明の高熱で倒れている。
そこで、局長は彼らを雇ったのだと言った。
気を失っている隊士達は、皆一様に¨赤い着物の女が来る¨等と言う譫言を呟くのだ。
「ざっと屋敷を見させてもらいましたがね、こりゃ相当な霊の波動を感じますなゴリラ」
「まァとりあえず除霊してみますかね。こりゃ料金も相当高くなるゴリよ」
妙な語尾に対して局長が控え目に突っ込むが、拝み屋は一切取り合わない
「して、霊はいかようなものゴリか?」
拝み屋の語尾がうつってしまったらしい沖田さんの言葉に、色眼鏡が答える
「えーと…工場長」
「え、工場長?」
思わず聞き返すと、包帯の男が慌てたように続けた
「えー、ベルトコンベアに挟まって死んだ工場長の霊です!」
「局長、皆さんがご覧になられたのは女の霊ではありませんでしたか?」
その筈だが…と言う局長に、今度は僧侶風の男が声を上げた
「あ!間違えました。ベルトコンベアに挟まって死んだ工場長に似てるって言われて死んだ女の霊です」
「そうでしたか」
「それはそれは……」
「いやなげーよ!工場長のくだりいるかァァ!?つか近藤さんは頼むから疑ってくれ!」
「とりあえずお前、山崎とか言ったか…お前の体に霊を下ろして除霊するから」
そういった拝み屋は山崎さんを羽交い締めにした。
『うぐっ』という苦しそうな声と鈍い音の後、山崎さんはぐったりと頭を垂れた
「ハイ!今コレ入りました!霊入りましたよ〜コレ」
「霊っつーかボディブローが入ったように見えたんですけど」
「えー皆さん、今日でこの工場はつぶれますが、責任はすべて私…」
「オイィィ!工場長じゃねーか!!」
副長の突っ込みが響き渡った後、仲間割れを始めた拝み屋が装飾を外してしまえば、そこには見馴れた顔が現れたのだった
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れもん(プロフ) - 月歌さん» ご指摘ありがとうございます!ただいま確認、訂正致しました。対応が遅くなってしまい申し訳ありません。これからもどうぞ宜しくお願い致します (2019年2月18日 23時) (レス) id: af4b9b062a (このIDを非表示/違反報告)
月歌(プロフ) - コメント失礼します!この話すごく好きです!あ、あと、43話の総悟のセリフ、「〜ますァ」より、「〜まさァ」の方が総悟らしさが出ると思いますよ…!余計だったらすいません<(_ _)>これからも応援してます! (2019年2月7日 1時) (レス) id: 6a57b5564a (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - 橋本さん» ありがとうございます!文才と学だなんて……嬉しすぎます…!稚拙な文章ですが、これからも楽しんでいただけるように頑張ります! (2019年2月6日 23時) (レス) id: af4b9b062a (このIDを非表示/違反報告)
橋本(プロフ) - 文才と学の多さに圧倒されました……すきです。ふとしたときの表現だったり言葉で本当に知識のある方なんだなぁと思いました。続き楽しみにしてます、更新頑張ってください! (2019年2月4日 23時) (レス) id: cee43a9737 (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - (о´∀`о)さん» コメントありがとうございます!ゆっくりですができるだけ更新していきたいと思っております! (2019年2月4日 7時) (レス) id: af4b9b062a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:東雲出雲 | 作成日時:2019年1月28日 16時