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32:夢現 ページ33

酷い痛みに目を覚ました。

頭の中に霞が掛かったようにぼんやりしていて、前後の記憶がハッキリとしない。

私は一体どうしていたと言うのだろうか?


「────A、いつまで其処に座り込どる」



聞き覚えのある声に、意識がハッキリと浮上する。
相変わらずの悪人面で、私の事を見下ろす男がいた



「……八幡、殿、」

「もう終いか?ん?……根性のない奴じゃ、お前の思想はリッパじゃが、如何せん、自信も根性もねぇ」


ケッと何時もの調子で私を責めるその人は、何処か悲しそうな瞳で私を睨み付けた


「そんなヤツに着いていくような愚かもんは居らんぜ」

「そう、申されましても、私は……」

「カーッ!!その辛気臭い顔!!どうにかならんのか!?全くお前らの事は理解できん!久坂と言い高杉と言い!どうしてこんなに訳のわからん奴の世話ばかり押し付けられる!」


八幡の太い指が私の胸を何度も突く。
相当怒り心頭らしく、その声はいつもにまして大きい



「や、八幡殿?」

「えいか、A。お前の存在意義はなんだ」

「そんな、の、」

「人はの、何かを為すために生きとる!お前は何を成す?人斬りか!?革命か!?お前は何のために生きるんじゃ!誰のために生きるんじゃ!」


一頻り、言いたいことを言ったのか、八幡は大きな深呼吸をしてから、私の頭を撫でた。

皮膚の厚い、硬くて大きな手で、しかしその手つきは割れ物に触るかのように優しい。


「A。もうそろそろ、自分の為に生きようと、誰もお前を責められやせん」


どうしてそんな目をするのか、不思議で堪らなかった。

けれども何と無く、私は彼が言わんとしていることがわかるような気がして、頭を撫でる彼の手に触れようとした


「……時間じゃ。A、達者でな」




────落ちる。


そう感じた次の瞬間に目に飛び込んできたのは、蛍光灯の安っぽい光だった




33:見舞い→←31:高杉晋助



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れもん(プロフ) - 月歌さん» ご指摘ありがとうございます!ただいま確認、訂正致しました。対応が遅くなってしまい申し訳ありません。これからもどうぞ宜しくお願い致します (2019年2月18日 23時) (レス) id: af4b9b062a (このIDを非表示/違反報告)
月歌(プロフ) - コメント失礼します!この話すごく好きです!あ、あと、43話の総悟のセリフ、「〜ますァ」より、「〜まさァ」の方が総悟らしさが出ると思いますよ…!余計だったらすいません<(_ _)>これからも応援してます! (2019年2月7日 1時) (レス) id: 6a57b5564a (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - 橋本さん» ありがとうございます!文才と学だなんて……嬉しすぎます…!稚拙な文章ですが、これからも楽しんでいただけるように頑張ります! (2019年2月6日 23時) (レス) id: af4b9b062a (このIDを非表示/違反報告)
橋本(プロフ) - 文才と学の多さに圧倒されました……すきです。ふとしたときの表現だったり言葉で本当に知識のある方なんだなぁと思いました。続き楽しみにしてます、更新頑張ってください! (2019年2月4日 23時) (レス) id: cee43a9737 (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - (о´∀`о)さん» コメントありがとうございます!ゆっくりですができるだけ更新していきたいと思っております! (2019年2月4日 7時) (レス) id: af4b9b062a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:東雲出雲 | 作成日時:2019年1月28日 16時

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