【銀魂】祈る暇があるのなら

28:試着 ページ29

「えっと、どう、でしょうか」


くらくらする程色とりどりの反物を合わせられ、店員さんはああでもない、こうでもないと言いながら幾つかの着物を用意した

着物に会わせた帯あげ帯締め伊達締めから草履まで。

自分で着物を選ぶ機会など無いに等しかった私は、目まぐるしく着替えさせられ、どうやら納得のいったらしい店員に、副長の前に押し出された


「…………」


店の椅子に腰を下ろしていた副長は、私を見て、目を丸くしたまま固まった


「あの、副長？」

「っあ、ああ！良いんじゃねぇか。おい、これと……あと２着ほど見繕って真選組まで届けてくれ」


ハッとしたらしい副長は、長くなった煙草の灰を落としながらそう言った。

似合っていないのかと思っていたから、少し安心した。



「かしこまりました、さ、此方へどうぞ」



にこにこと楽しそうに笑みを浮かべる店員さんは、元々目星を着けていたのかあっさりと２着揃えると、私にそっと耳打ちをした


「ふふ、凄く愛されていらっしゃるんですね」

「え、」

「うふふ、それではこの帯留めもつけておきますね。さぁどうぞ」


元の着物を着て副長の元へ行くと、終わったか。と言って立ち上がった


「それでは今夜までにお届けに参りますね。ありがとうございました、またお越しくださいませ」


終始にこやかだった店員さんに会釈を返し、副長の後に続き店を出た









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