えぇ、ホンモノの吸血鬼ですが？② (ページ5)

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5.フライトページ5

「本当に突然ね」

「はは……最近はまともに顔も会わせていなかったからな」

くしゃくしゃになった笑顔に、Aは肩を竦めて笑った

「なぁ、本当についてって良いのかよ……」

ジョセフ・ジョースター。13歳

彼はAとスピードワゴンを見上げては困り顔で聞いた

「せっかく二人っきりの旅行だってのにさァ」

子供ながらに二人を気遣った発言を、Aはけらけらと笑った

「二人より三人の方がきっと楽しいわ！」

くしゃりとジョセフの癖ッ毛を撫でると、彼の荷物を持って、スピードワゴンの自家用機に乗り込んだ

空の上を飛びながら、Aはイギリスの夜を見下ろしていた

「見事なもんだろう？」

「ええ、……とても」

ジョセフは夜景を眺める二人の邪魔をしないように、こそっと息を潜めながらもコミック本の影から二人を覗き見た

Aはキレイな女だ。
子供のジョセフだってわかる。

そしてAは、スピードワゴンが来れば、いっそうキレイに笑う。

スピードワゴンだって、Aを見れば顔を赤くして、表情が柔らかくなる。

それがどう言うことなのか、ジョセフには理解できた。

今だって、スピードワゴンはAの肩をそっと抱いているし、Aは邪険にする様子もなく楽しんでいる

ジョセフは、二人の¨恋¨と言うものを応援しようと思っていた。

けれども心の奥底で、何だかとても寂しい気持ちがあることにも気付いていた

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