えぇ、ホンモノの吸血鬼ですが？② (ページ23)

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23.輸血パックページ23

「失礼したわね。脳みそを半分も吹っ飛ばされたものだからまだクラクラしてるのよ」

優雅に足を組み気だるげに溜め息を吐くAの美しい銀の髪が蛍光灯の安い光にも幻想的に輝いている。

「あぁ……もう大丈夫なのか？輸血は……」
「結構よ。アレは……正直なところ相当不味いわ。ほら、貴方が熱を出した時に飲ませたアレくらい不味いのよ」
「む、漢方か？」
「あぁ、それ、そうよ。とにかく不味いの」

ぷいと子供のように顔を背けた先に、ジョセフを見たAは、今度は気まずげに視線をさ迷わせた。

「ならA、俺の血を飲めば良い。輸血パックよりは新鮮だろう？」
「シーザー」

首元を開けて血管の浮く首筋を見せつけるシーザーをスピードワゴンが静かに叱責する。

「だが、血を飲まなくては傷は治らないのでしょう。彼女が怪我……と言うには余りにも酷かったが、まぁ、怪我をしたのは俺のせいだ」

それに俺は慣れている。
そう言ってAに視線を送るシーザーだが、当の彼女は軽く頭を左右に振るだけだった。

「病気を治すには薬を飲まなくちゃならん。そうだろう？」
「えぇそうね。でも次からはもう少し新鮮なのをお願いするわ」

仕方無さ気に肩を落としたAは差し出されたワインで唇を湿らせる。

「──それで、私はどのくらい寝てたの？」

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