21.半身 ページ21
「人間の……皮ね、これは」
Aが持ち上げたのは恐怖に顔を歪ませたまましなしなのペラペラになった軍人の死体だった。
「タガメがメダカを食べるみたいに皮と骨だけになっているのね」
警戒しながらも地面を検分しながら歩くAの数歩後ろにシーザーとジョセフが続く。
瓦礫に埋まるようにして転がっていたグロスフスMG42機関銃を拾った瞬間、その時だった。
「Aーーッッ！！」
声を荒げたのはシーザーが先だった。
とんっと何かにぶつかる軽い衝撃の瞬間、Aは手にしていた機関銃の引き金を引いた。
無意識下での反射的な攻撃に、連続する激しい破裂音と硝煙が上がる。
後方に吹き飛んだAの体を受け止めたジョセフが、その姿にひきつった悲鳴を上げる。
彼の腕の中で、全弾を撃ち尽くした銃を棄てたAは、その体の半分を失っていた。
「お、おおおおおおッ！！Aッ！！」
「なんだとッ！？何が……何が起こったんだッ！？」
ジョセフの腕を冷えた鮮血が伝う。
その冷たさにひゅっと息を飲み込んだが、血の気のないその頬を震える指先でなぞった。
「ム……その"生物"は」
「きさまッ！！！！」
ジョセフの視界の端で、シーザーが三人の大男に攻撃を仕掛けたのが見えた。
しかし、彼は自らの腕に纏わりついた、赤いパリパリとした結晶に触れ、次いで傷口──既にグロテスクな様相ではなく、先端の鋭い硝子の欠片が敷き詰められたようなその場所に手をかざした。
「一体……」
脈はない。
心臓も動いていない。
体だって冷たい。
触れればバリバリと音をたて地面に落ちれば雪が溶けるようにすうっと消えてしまう結晶。
「A……」
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推しが尊い - おもしろかったです(*>ω<*)更新ｶﾞﾝﾊﾞｯﾃｸﾀﾞｻｲ(o⌒∇⌒o) (2019年5月7日 22時) (
レス) id: f1f75a744a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れもん x他1人 | 作成日時：2018年11月5日 20時
