えぇ、ホンモノの吸血鬼ですが？② (ページ13)

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13.治療ページ13

「本当に治っちまうのか……」

「何よ、疑ってたの？」

すっかり元通りになったAは、自らの手を見て、満足げに───そしてどこか寂しそうな顔をした

「……すまない」

謝ったシーザーに、Aは不快そうに眉を寄せた

「貴方ってすぐ謝るのね。別に構わないわ、それに、私は貴方を殺そうとしたのだし」

「なあ、吸血鬼ってのはみんなあんたみたいな感じなのか？」

血を失って軽い貧血状態らしいシーザーは、額に手を当てながら、薄いドレス一枚になったAを見た

「……私が¨吸血鬼¨に会ったのは過去に１度だけよ。私が、まだ人間だった頃の話だけれど。

彼は……」

何かを思い出す様に目を細めたAは、垂れた銀髪を払った

「アンタはその吸血鬼に血を吸われて、そうなったのか？」

「え？……違うわよ。彼は普通の人間として、私と暮らしていたのよ、息絶えるその時までね」

「……波紋で？」

「まさか！私はそんなものに殺されたりしないわよ！」

ころころと愉快そうに笑うAに、シーザーは表情を険しくした

「そんなものって……なら、どうやって吸血鬼を殺すんだ？」

「それがわかれば、私はこんなに苦労していないわ」

肩を竦めたAは、低くなり始めた月を見上げた

驚いたように、そして憤っているように見えるシーザーを、Aはフッと笑い、すっかり冷めたスープを温めなおした

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