えぇ、ホンモノの吸血鬼ですが？② (ページ2)

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2.孫ページ2

あれよあれよと言う間に、スピードワゴンは石油資源を元手として¨スピードワゴン財団¨を立ち上げた

「って、信じられる？こんな話……」

今日のイギリスの天気は曇り。
堂々とテラス席に腰掛けられると言うのに、Aの表情は沈んでいた

エリナは数十年たってもシワ一つ増えない友人の顔を見て、笑う

「あら、嬉しいことじゃない？」

「それはそうだけど……油田を掘り当てたって言われても何て返せば良いか分かんないのよ」

「それもそうねぇ……でも、おめでとう、とか、やったわね、とかで良いんじゃないかしら？」

ふふふ、と上品に笑うエリナに、Aはストローをかじった

「それに、スピードワゴンさんの石油の仕事が落ち着けば……」

優しげな眼差しのエリナが、あら、と言って口元に手を当てて笑った

「落ち着けば？何よ？」

「ふふ、いえ、何でもないわ」

「何よ、そういうのが一番気になるでしょ！」

「うふふ」

問いただしても内緒よ、と言って口を割らないエリナに、Aはお手上げだとばかりに肩を竦めた

「そう言えば、孫……だっけ？」

思い出したかのように呟いたAに、エリナはパッと笑みを浮かべた

「えぇ、ジョセフの事かしら？」

「そう、ジョセフ。元気なの？」

「ふふ、元気すぎて困ってしまうくらいよ。Aにも会いたがっていたわ」

「私に？」

基本的に夜しか活動できない吸血鬼であるAと、まだ10にも満たない子供が会うのは、中々に困難なことだった。

重なってスピードワゴンの油田の件もあり、以前会ってから、２年か３年が経っている

「そう、あ、ねぇ、もう少し落ち着いたら、スピードワゴンさんと一緒に遊びに来ない？」

「エリナが迷惑じゃなければね」

まぁ、Aがそんな気を使うなんて！
ころころと笑ったエリナに、Aは恥ずかしそうにほほを染めて、唇を尖らせた

──ジョナサン・ジョースターがこの世を去ってから。

早いもので、もう40年が経とうとしている

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