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杖灯りが照らし出したのは巨大な蛇の脱け殻だった。軽く見積もっても６メートルはあるだろうその体に、自然と異が落ち込むのを感じた。
腰を抜かしたロックハートを立たせるのにウィーズリーくんが杖を向けた。
──瞬間、ロックハートが立ち上がりウィーズリーくんを床に殴り倒した。
咄嗟に持ち上げた杖に、私が使うべきではない呪文が口をついてでた。
「
案の定体をくの字に折り畳みながら後ろ向きに吹っ飛んだロックハートは壁に盛大にぶつかり、でたらめに振り回された杖が小型爆弾並みに爆発した。
「伏せて！！」
ウィーズリーくんを入り口の方へ押す勢いで後方へとんだ私の足元に壁のような大きな岩のかたまりが、雷のような轟音をたて落ちてきた。
「ローン！！」
ポッターくんが叫び、ウィーズリーくんが答えた。
よかった、どうや無事だったらしい。
吹っ飛んだ拍子に捻ったらしい足を庇いながら立ち上がれば、壁の向こうから声が聞こえた。
「ぼくは大丈夫だ。でもこっちのバカはダメだ──吹っ飛ばされた上に頭を打ったらしい。どうする？こっちからは行けないよ。何年もかかってしまう」
「先生、この石、砕けたりはしませんか？」
ポッターくんの問いかけに、私は目の前の壁を見てからそのまま天井を見上げた。
ぱらぱらと石が降ってくる天井は今にも崩れそうで、もう一撃強い衝撃を与えれば、トンネルそのものが潰れてしまうのではないかと思わせた。
「ダメだ。丁寧にやらないとトンネル事態が崩れちゃうかもしれない」
少し考えたポッターくんは、何かを決意したように私を見上げた。
「先生それじゃあ、ここの石を何とかしてもらえませんか？僕らが帰りに、ここを通って帰れるように」
「……それは構わないけど、君は？」
「ぼくは先にいきます。ジニーが……もう時間がないかもしれない」
焦れたように早口で言ったポッターくんに、私は返事をしかねていた。
この先は明らかに"危険地帯"だ。ここはほぼ確実に、バジリスクの巣穴なのだから。
じっと見上げる澄んだグリーンの瞳が、私のなかにふつふつと罪悪感を生み、ついに目を会わせていられなかった。
「……努力してみよう。ただし、君が一時間戻らなかったら、私も先に進む。良いね？」
「はい、先生」
しっかりと頷いたポッターくんは再び杖の先に灯りを灯し、太い蛇の脱け殻を跨いで暗闇の中へと姿を消した。
(呼び起こされる罪悪感)
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きのこ(プロフ) - やっぱり最高です！！！ありがとうございます( ´∀｀) (2020年5月19日 9時) (
レス) id: 2f2822d021 (このIDを非表示/違反報告)
たまち - 結構ガチで続き待ってます このシリーズマジで好きです (2020年5月7日 23時) (レス) id: 2384b40b81 (このIDを非表示/違反報告)
氷狐 - いやぁ、不安になる終わり方ですねぇ。続きがとても楽しみです！体の調子に気をつけて頑張ってください！ (2020年4月14日 7時) (レス) id: 43c698ce3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：微糖 x他1人 | 作成日時：2020年4月12日 17時
