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部屋の扉が無遠慮に開かれたことに、最早私は注意をするまでもなかった。
いつもの双子が両手いっぱいに小瓶や箱を抱えて入ってくるのを「いらっしゃい」と向かえると、二人はそっくりの笑みを浮かべて「やぁ先生！」と挨拶を返した。
私は、ミリセント・アバーテ──学生時代同室だった──宛の返事を書く手を止め、その便箋をデスクの中にしまってから、彼らにソファーを勧めようとすると、既に二人はお行儀よくそこに座り込んでいた。
「さて、今日は何を？」
双子は口々に試作品がこうだ、こんな材料を試してみたいと語るので、私はふんふんと頷きながら、時々「それは最近論文が出ていた」とか「その組み合わせは危険だね」とか「それならあの店で手にはいるとおもうよ」と相槌をうった。
「毎度のことながら、君たちの発想力には驚かされるよ」
誉め言葉には素直に喜ぶ彼らが次に口を開こうとしたとき、微かな金属音と床が擦れる音が聞こえて、普段より少し血色の良いスネイプが現れた。
「あぁ、おかえり。サンドウィッチを貰ってきたけどここで食べる？それとも」
「部屋に戻ろう」
私の言葉をさえ切って至極不機嫌そうにそう告げたスネイプに僅かに首を傾けてから、双子の方へと視線を戻せば、彼らはまるでこの世の終わりでも見たかというような顔でスネイプと私を交互に見ていた。
「そう？それじゃあ、」
妙に居心地が悪くて、彼らの視線から逃れるためにも、部屋の隅の姿見をいつものように彼の部屋へと繋げ、中へと促したあと、保存呪文をかけっぱなしのサンドウィッチの皿を彼に渡した。
「スネイプから石鹸の匂いがするなんて……」
何かとんでもない秘密を知ってしまったように呆ける二人は、じろじろと私を上から下まで舐めるように見ると、今度はとんでもないことを口にした。
「まさか先生、スネイプとデキてるんじゃないよな？」
「……なに？何ですって？」
にやりと口元を歪めたのは向かって右に座る一人だけだった。
「だーかーら！！昨日の夜、つまりクリスマスの深夜、聖なる夜に
何をやるのかと尋ねようと口を開いたとき、もう一人がけたたましい音を立て立ち上がったかと思うと、激しい音を立てて部屋を出ていってしまった。
残された私達はぽかんと口を開いたまま、震えている扉を眺めることしかできなかった。
(怒りの矛先は？)
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きのこ(プロフ) - やっぱり最高です！！！ありがとうございます( ´∀｀) (2020年5月19日 9時) (
レス) id: 2f2822d021 (このIDを非表示/違反報告)
たまち - 結構ガチで続き待ってます このシリーズマジで好きです (2020年5月7日 23時) (レス) id: 2384b40b81 (このIDを非表示/違反報告)
氷狐 - いやぁ、不安になる終わり方ですねぇ。続きがとても楽しみです！体の調子に気をつけて頑張ってください！ (2020年4月14日 7時) (レス) id: 43c698ce3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：微糖 x他1人 | 作成日時：2020年4月12日 17時
