114 ページ23
「彼女は昔──同級生に"許されざる呪文"を使った！それも二年の頃にです。今ならもっと高度な闇の魔術を使えるに違いありません」
話しているうちに自信がついたのか、朗々と言い切ったロックハートの瞳には爛々とした敵意が光っており、フィルチはポッターくんを睨むのをやめ、今度は私を殺してやりたいとでも言うような目で睨み付けていた。
フィルチは私が在学中にもホグワーツで事務員をしていた。そのせいか、彼は「そうだ…そうだ…お前が…」と怒りのあまり掠れた声を吐き出していた。
「実に──実に馬鹿馬鹿しい、"前科"など何の証拠にもならぬでしょうな」
「スネイプ、わたしは、」
「黙っていろ！」
雷に打たれたかのような怒声に、思わず固まると、今度は校長が柔らかく嗜めるようにスネイプの名前を呼んだ。
奥歯を噛み締め黙り込んだスネイプは、ポッターくんを激しく睨み付け「そもそも」と口を開いた。
「連中は何故三階の廊下にいたのか？何故三人はハロウィーンのパーティにいなかったのか？」
スネイプの言葉に、三人は正気を取り戻したように一斉に、殆ど首無しニックの絶命日パーティに行っていたのだと言った。もちろん今日はニックの絶命日だ。
しかしスネイプの追求は止まず、三人も、少しばかり隠したいことがあるのか辻褄の合わない言葉を溢した。
「校長、ポッターが真っ正直に話しているとは言えないですな。すべてを正直に話してくれる気になるまで、彼の権利を一部取り上げるのがよろしいかと存じます。我輩としては、彼が告白するまでグリフィンドールのクィディッチ・チームから外すのが適当かと思いますが」
その言葉にマクゴナガル先生が抗議した。
そしてしばらくの沈黙の後、校長は「疑わしきは罰せずじゃよ、セブルス」ときっぱり言い放った。
石になった猫はマンドレイク薬で元に戻る。
ひとまずは様子を見ようと話が纏まったところで、校長は全員に解散を告げた。
──どうやって歩いてきたのかわからないが、私は自室の扉のドアノブを握っていた。
押し開いて、中に入って、その場にへたりと座り込んだ。どうも、腰が抜けてしまったようだった。
(部屋の中には、焼きたてのクッキーの香りが漂っている)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 264人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「子世代」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きのこ(プロフ) - やっぱり最高です！！！ありがとうございます( ´∀｀) (2020年5月19日 9時) (
レス) id: 2f2822d021 (このIDを非表示/違反報告)
たまち - 結構ガチで続き待ってます このシリーズマジで好きです (2020年5月7日 23時) (レス) id: 2384b40b81 (このIDを非表示/違反報告)
氷狐 - いやぁ、不安になる終わり方ですねぇ。続きがとても楽しみです！体の調子に気をつけて頑張ってください！ (2020年4月14日 7時) (レス) id: 43c698ce3f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：微糖 x他1人 | 作成日時：2020年4月12日 17時
