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なんだかぼんやりとしたまま一日が終わろうとしていた。
とっておきのハロウィーンのディナーでさえも、味気ないものに感じられてしまい、ただ時間の過ぎ去るのを待つような、いままでのハロウィーンの中で一番につまらない時間だった。
ため息もそこそこに、パーティーが終わるや否や広間を早足に去った私はまるで導かれるかのごとく自室へと足を早めた。
階段を登り、廊下を進み、また階段を登り、足を止めた。
その場に縫い止められたような私に、はっと怯えたようなグリーンの瞳が向けられた。
「せ、せんせい」
震えた声の向こうに見えるのは、揺らめく松明の腕木に尻尾を絡めた猫。
誰がどう見ても異様な光景で、その真ん前に突っ立った3人の生徒達は、何か言いたげに私を見上げては、もごもごと口を動かしていた。
「これは、フィルチさんの……」
「違うんです先生！僕達、ぼくたち、」
まだ微かに高い少年の声を掻き消すように前方から、そして後方から、何百もの足音とざわめきが聞こえ、やがてしんと静まり返った。
「継承者の敵よ、気を付けよ！次はお前たちの番だぞ、『穢れた血』め！」
突如として響いた声にようやく現実に帰った意識の中、初めて感じた感想は「これはまずい」と言うものだった。
廊下にポツンと離れ小島のように取り残された私達を見つめるすさまじい数の視線、視線、視線。
血で描かれたような赤い禍々しい文字に、猫の──死体。
明らかに状況が悪い。
もう事態を聞き付けたらしい校長が早足に生徒の群れを割り、私達の元へとやってくる。
ちらりと私を見たあと、すぐに猫に視線をやり、腕木から尾を解き、その体を腕に抱いた。
ポッターくん、ウィーズリーくん、グレンジャーさん。そして最後に私に着いてくるようにと言うと、校長はロックハートの勧めで上階の闇の魔術に対する防衛術の教室へと向かった。
後に続くマクゴナガル先生の気遣うような視線を感じたが、私はどうも、上手く笑みを作ることができず、ただ口角をひきつらせるだけの不格好な表情を返し、先を急いだ。
(混乱)
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きのこ(プロフ) - やっぱり最高です！！！ありがとうございます( ´∀｀) (2020年5月19日 9時) (
レス) id: 2f2822d021 (このIDを非表示/違反報告)
たまち - 結構ガチで続き待ってます このシリーズマジで好きです (2020年5月7日 23時) (レス) id: 2384b40b81 (このIDを非表示/違反報告)
氷狐 - いやぁ、不安になる終わり方ですねぇ。続きがとても楽しみです！体の調子に気をつけて頑張ってください！ (2020年4月14日 7時) (レス) id: 43c698ce3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：微糖 x他1人 | 作成日時：2020年4月12日 17時
