想い ページ11
兵助「ねぇ、Aはなんだと思う?」
『へ?…うぅん…卵焼き定食じゃない?』
尾浜「卵焼き定食かぁ…早く行ってみよう!!」
二人は小走りに廊下を歩いた。私はそれについて行くように歩く。
兵助「うわ、なんだか混んでるなぁ」
『あっ!今日のランチメニュー、二択じゃなくて四択になってる!!』
兵助・尾浜「「本当だっ!!」」
いつもなら二択で絞り出されているメニュー表。それが今日は四択で絞り出されていた。だから迷う
人がたくさん出てきていたのだ。
尾浜「お腹減ったなぁ…」
ふと、私の視界に映ったのは…食満先輩。同室の伊作先輩と何かを話していた。悪い事なのは分かっ
ているが、私は自然と聞き耳を立てる。
伊作「留三郎、どうしたの?怖い顔して」
食満「いや、昨日の夕方からずっと胸がチクチクしててなぁ…なんつーか、勝手悪いんだ」
伊作「…チクチク…留三郎、好きな子でもできた?」
私はその話題が出てきた途端、聞き耳を立てるのをやめた。怖かったのだ。私以外の子を好きだった
らどうしようと思ったから。でも、聞き耳を立てなくても、自然と会話は聞こえてくる。
食満「好きな奴…そういえば…一緒にいると胸がうるさくなる奴が一人…」
伊作「留三郎、それは恋だよ」
食満「恋だぁ?」
食満先輩、恋してる人いたんだ。私は列から静かに抜けると、用具倉庫に走って行った。
『はぁ、はぁ…嫌なもの、聞いちゃった……ここで授業になるの待っとこ』
用具倉庫。それは私が一番いて落ち着く場所だった。
そして、授業も終わり用具委員会集合の時間。私は人一倍早く用具倉庫に入った。やっぱり落ち着く
…と、二番手に富松くん→平太、喜三太、新兵衛→食満先輩と全員揃った。自然と食満先輩が私の隣
に座る。その動作も、恥ずかしくなるくらい意識してしまっていた。
食満「では、これより用具委員会会議を行う」
一同「よろしくお願いします」
そして、心臓がうるさいまま、会議は始まった。会議内容は「手裏剣の数」についてだった。所々サ
ビついている手裏剣も増えているため、新しいものに交換、追加するよう、学園長命令が出されたら
しい。確かに見てみれば、欠けているところやすり減っているもの、ましてや錆びているものもあっ
た。そのためにも、会計委員会に予算をもらいに行かなくてはならなかった。会計委員会にとは因縁
の中なので困っていた。
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焉音 - しんベヱの名前は漢字表記ではないですよ! (2022年6月5日 13時) (レス) @page25 id: 60762efae4 (このIDを非表示/違反報告)
マロン - 読んでくださった皆様!本当にありがとうございました! (2022年1月23日 10時) (レス) @page25 id: 416ac86079 (このIDを非表示/違反報告)
マロン - チョコさん» コメントありがとうございます!私もこんな恋愛したいです!!! (2022年1月7日 17時) (レス) id: baa50f9b9e (このIDを非表示/違反報告)
チョコ - 食満先輩と夢主ちゃんらぶらぶ!私もこんな感じの恋愛したい! (2022年1月3日 23時) (レス) id: c04111b0ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マロン | 作成日時:2022年1月3日 15時