《両面宿儺》仕返しします

態度36 ページ36

外はすっかり暗くなって

街灯もチカチカと道を照らしていた。



その中でただ私は走るのに必死だった。









___『大嫌い!!』








感情任せに言ってしまった言葉は今更訂正できるわけがない。



でも、そんなこと言われようが

宿儺はきっとなんにも思いやしない。



そんなことを思うとさらに涙が出てきた。









ﾄﾞﾝｯ





人通りも少ない中、私は運悪く

人らしき何かとぶつかってしまった。



ごめんなさい、咄嗟に出た言葉は

ぶつかった人物を見るなり息詰まった。









.









.









『...特級』






真人｢...｣









さっきまでスタバァで会っていた特級だ。



彼は私の顔を見るなり、目を見開き

珍しく真剣な表情をした。




そして気付かぬうちに奴の手が私の頬に触れようと

こちらに伸びていた。



あの日の記憶が脳に蘇り、咄嗟に目を瞑った。




今度こそ殺されるかもしれない、

死を感じてひたすら目を固く閉じた。









.









.









.









＿＿＿＿ｿｯ









『..ｯ...


え?』









真人｢...


大丈夫?何かあった?｣








驚くことに、目の前の特級は優しく私の頬を撫でると

それに釣り合うよう優しい言葉を掛けてきた。




呪術師として、特級と言えど

この優しい手を普通ならば払わなければならない。




騙されちゃダメだ、心の中ではそう思ってる

...それなのに___









.









.









『...

ｯ..ｳｪ...ﾋｯｸ』ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ








いま、そんな優しい言葉をかけられたら

そんな手も握りしめてしまう。





今だけは優しい言葉をかけないで...

感情が抑えられず泣いてしまう。




目の前の特級は、もう一つの手を私の頭に乗せて

優しく撫でた。









真人｢辛かったね...｣









.









.









.









＿＿＿＿＿＿＿あぁ、もう間近だ

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