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その男は痩せこけた姿をしていた。それだけならただの不健康そうな男だったが、その男の肌は異様なまでに白かった。
その男、第六の悪魔は唸り声をあげる。飢餓に蝕まれた獣のようだとゲーナは思った。
拠点を作った一行はそのまま悪魔討伐へ向かう事となった。ヴォイドであるゲーナを連れていく事に難色を示す聖騎士は多かったが、同行は許可された。高位の魔法使いであるニコラスが認めたから、というのもあるようだが、それ以上に人手が足りないらしかった。
魔物のせいで荒れ果て、腐った死体が転がる土地を歩く。しかし歩いていくうちに魔物や死体の数が減っていった。
「気を付けてください。……近くにいます」
ニコラスが警告をしたその次の瞬間、聖騎士達の目の前に男が……いや、男の形をした悪魔が現れたのだ。それをゲーナが認識した時には、聖騎士の一人は死んでいた。
結界をはっている、とニコラスは言っていた。ニコラスの他にも高位ではないものの数名の魔法使いがいたはずだ。数名がかりで作った結界が一瞬で破壊されたというのだろうか。ゲーナは逃げようかと思ったが、今逃げたところで生き延びられるだろうか?
「あ"ぁ?人間がこんなところまで来てくれるたぁな、ディナーにでも参加してくれるってェのか?」
「誘いは嬉しいが食材になるつもりはねぇよ!」
悪魔の呼び掛けにゲーナは悲鳴混じりに答えた。
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