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休日で混み合うここ、トロピカルランド。
家族連れやカップル、学生らしきグループなどそれぞれが連れとの遊園地を満喫する中、絶賛ぼっちの私。
「えー、現在私は、土曜日のトロピカルランドに1人できておりまーす!」
明らかに浮くだろうと予想して持ってきた自撮り棒に、スマホを取り付け、まるでライブ配信でもしているように振る舞うことの虚しさといったらない。
けど、仕方ないじゃない。
私は遊びに来たんじゃない。『仕事』に来ているんだから。
「うーん、やっぱり休日は人が多いですね。今日は家族連れがほとんどでしょうかね」
なんて呟きながら、エントランスをうろついて、しばらくして近くのベンチに腰掛けた。
今のところ、“怪しい人”はいない、かな。
それにしても……、どうして。
どうして――ここに警察関係者がこんなにもいるの?
あの人も、こっちの人も、あっちの人も。
エントランス付近には観客に溶け込もうと努力しながらも、よく見るとまったく溶け込めていない人たちが。
面倒なことにならなきゃいいけれど……。
そう思っていると、その中の1人とふと目が合う。
あ、やばい……!
咄嗟に目を逸らし、すぐに自撮り棒を構えるが、時既に遅し。
「お隣、よろしいですか?」
色黒のイケメンに声を掛けられてしまいました。
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作者名:うし | 作成日時:2019年4月23日 2時