5【共 キョウセイ 生】 ページ6
*
「はぁ……」
大きな溜息をついた安倍くん。
どうしよう、変だって思われたかな……?
「変なこと聞いて悪かった。……それと、寝ちまって」
そのまま安倍くんは、残りの窓の施錠をし始めた。
よかった、バレていなかったみたいだし、怒ってもいないみたいだ。
難なく手を伸ばして鍵を閉める姿が頼もしい。
やっぱり高身長な男の人って憧れちゃうなぁ。
それからは日直の仕事を二人でこなす。私は残った黒板消しをすることにした。
施錠が終わった安倍くんは、再度シャーペンを持ち日誌を書き始める。
パン、パンッ
手に着いたチョークの粉を払うと、教室でやけに大きく響いた。
びっくりして、すぐに叩くのを止める。
カリカリ
私が音を立てなければ、聞こえてくるのは安倍くんが字を書く音のみ。
よく考えれば、今ここには私と安倍くん、二人きりなのだ。
そう考えると、急に胸がぎゅっとする。
そして……さっきの、助けてもらったことを思い出すと更にドキドキする。
「あべ…………っ!?」
彼の名前を呼ぼうとした。けれど、それはまた『アレ』によって遮られる。
今度はウサ耳が生えた……サル?のような妖怪が私の足元に駆け寄ってきた。
この教室、妖怪多いよ……。
『おさる妖怪』はそのまま、私の身体を駆け登り、肩におんぶされるように掴まって落ち着いた。
重くもないし、体調も悪くならないからいいけど……。やっぱりちょっと気になる。
二人きりだななんて一瞬でもときめいたのが馬鹿みたい。この教室には他にもいるじゃない『アノ子』達が。
安倍くんに気がつかれないように小さく溜息をついて、私も席に着こうと椅子を引いたその時。
「お前、
まさか、彼の方から声を掛けられるなんて思ってもいなかった。
*
-二人きり?-
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レア - 凄く面白いです! 朱里ちゃん可愛い! 続きが読みたいです! (2019年2月14日 21時) (レス) id: 47e47ec318 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - わわわッ!!/// 私も不機嫌なモノノケ庵を愛読してまして...。この夢小説を見かけてとっても嬉しく思ってます!!頑張ってください!! (2017年5月31日 23時) (レス) id: 9fc158d11b (このIDを非表示/違反報告)
雪菜 - オケです!これからも更新頑張ってください! (2016年10月11日 17時) (レス) id: 6399b4f188 (このIDを非表示/違反報告)
うし(プロフ) - ハニーさん» ありがとうございます!気に入っていただけて嬉しいです、これからも頑張ります。よろしくお願いします。 (2016年10月6日 23時) (レス) id: 2c2d75bad9 (このIDを非表示/違反報告)
ハニー(プロフ) - 天宮さん可愛いです!これからも楽しみにしてます! (2016年10月4日 23時) (レス) id: 235af3f7e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うし | 作成日時:2016年8月6日 1時