かわさきさん家 (ページ21)

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# ０２ページ21

「んで、この式で求めて ... そしたら答えでるでしょ」

星「 ... できた、！！！」

「ん。正解」

星輝に勉強を教え始めてかれこれ3 ～ 40分くらいが経った

意外と飲み込みが早く教えたことはすぐに実行する。
やっぱ地頭だけはいいんだな。と実感。

「そういえば聞きたかったことって何？」

星「姉ちゃんってさ結局誰が好きなの？」

いや、唐突すぎ。

星「 ... 迷ってんの？」

机と向かい合ってた星輝が急にこっちを向いて私の目を真剣な顔して見つめるから冗談じゃないんだなと思ったのと同時に見透かされてるようで少し怖かった

「 ... 好きとか分かんないし、」

如何せん恋愛なんて無縁だった私は好きって気持ちとか何が恋愛感情だとか分からない。

胸がギューッとするとか ... 小説や漫画、俗に言う二次元ではよく目にするけれど実際どんなもんなんだろう。ってくらい今の私は恋愛と程遠い

星「檜山とか黒ちゃんとか ... 姉ちゃんのこと本気で好きなんだよ」

「そんなの本人にしか分からないでしょ」

星「二人だけじゃないから。中でも目立ってるのが二人ってだけで忍者にもまだ姉ちゃんのこと好きな奴いっぱいいるし他のJr.にもいる」

滅多に見ない星輝の真剣な顔に何故だか圧倒されて今だけは姉弟逆転してるように感じた

「なんで星輝が急にそんな話すんの、(笑) 」

空気を変えたくて、この空気が嫌で笑って誤魔化せば「姉ちゃんはほんとなんも分かってない。鈍感娘。アホ。」とだけ言い残してテキストと教科書をまとめると自室に戻ってしまった。

「星輝にだけはアホって言われたくないし ... 」

一人取り残された私はさっきまで星輝がいた形跡が残ってるこの部屋に訪れた静寂に耐えられず布団に潜り込んだ

誰が好きとか、誰から好意持たれてるとか、私には分からないもん。
私の教科書に恋愛なんて言葉は無いみたいに無知だからきっと知らない間に人を傷つけてるのかなと思ったら寒気がした

姉ちゃんはほんとなんも分かってない。

さっき星輝に言われた言葉だけが頭の中をループする。

分かってないって何よ ...

考えすぎて混乱してきたから一旦忘れるために寝ることに。

起きたらスッキリしてますよにと叶うはずもないことを願いながら気付けば夢の中へと旅立っていた