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私は結局誰の名前も書けなかった。
それぞれのいい所が頭に浮かんだし、
まだ臆病な自分がいた。
そして、海の見えるテラスに呼ばれた。
「どうして誰の名前も書かなかったの？」
カメラマンさんがレンズを覗きながら聞いてくる。
「みんな優しいし、それぞれにいい所があるから
誰かを選ぶことができなくて
それに、まだ臆病な自分がいるんです。」
「そっか。じゃあ、誰かから呼ばれていると思う？」
「呼ばれていたらいいなって思うけど、自信ないです。」
「じゃあ、少し待っててね。」
そうカメラマンさんが言うと、
カメラの録画ランプは消えた。
きっと誰も来てくれないんだなって
思って、寂しくなってキレイすぎる海を見ていたら
涙が零れそうになった。
すると、テラスへ繋がる扉が開く音がした。
「やっほ〜。」
「ジェシーくん。来てくれてありがと。」
「ブレスレットちゃんと着けてくれてるんだね。
嬉しい。」
ジェシーくんは、海を見つめながら言う。
その横顔が美しいくらいかっこよくて、
心臓がうるさいほどに音を奏でた。
「ジェシーくん。すごく海が似合うね。」
「ほんとに？嬉しい。」
「すごく爽やかで、サーフィンしてそう。」
「ハハハッ。Aちゃんは、白いワンピースを着て、大きな麦わら帽子被って貝殻拾ってそうだね？」
「なにそれー。設定が細かいね。」
そんな話から、好きなタイプや、
今までの恋愛話をした。
「じゃあ、そろそろ時間だ。また話そうね」
そう言って、ジェシーくんは、テラスを出ていった。
次にテラスに来てくれたのは、樹くんだった。
「A!」
「樹くん。来てくれてありがと。」
「2人になると緊張するな。」
「樹くん全然緊張してるようには見えないよ？」
「いやいや、めっちゃ緊張してるから！」
そう言って、白い歯を見せて笑う。
私はこんなにも歯を見せて笑ったりしないし、
樹くんの明るさを印象づけるんだ。
「樹くんが羨ましい。」
「え？！なんでなんで？？」
「誰とでも仲良くできるし、みんなをまとめる力もあるし、みんなのこと気にかけて行動できて、
私にないもの持ってるから」
「ありがと。好きな人に褒めてもらうと
めっちゃ嬉しいね」
頬を褒める樹くんは、いつもより控えめに笑ってた。
するとすぐに、時間が来てしまい、
樹くんはテラスから出ていった。
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Rika - 初めまして。お話が凄く良かったです。続き楽しみにしてます。 (2020年7月29日 14時) (
レス) id: feb3738261 (このIDを非表示/違反報告)
なほちゃん(プロフ) - 凄いおもしろいです。続き待ってますよ(*^▽^)/★*☆♪ (2018年10月28日 12時) (レス) id: 01f3b783a5 (このIDを非表示/違反報告)
まる - この小説すごく面白いと思います！頑張ってください！！ (2018年6月7日 22時) (レス) id: 28d8240592 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピ | 作成日時：2018年6月3日 13時
