* 少し立ち止まっての続きから。Byセンラ ページ18
「志麻くん…」
俺らも最初はそうやった。
最初起きた時はなんもわからんかった。
同じように苦しかった。
記憶もなかったけど、俺らひょんな事から思い出しただけやもん。
覚えてない事も、仕方がない。
やけど…
やっぱり…面と向かって言われたら悲しいな。
志麻くん見つけた時、本当に嬉しくて思わず抱きついてしまったぐらいやのに。
会えないかもしれない。って思ってたメンバーと会えたから、そりゃあ嬉しかった。
その状態で「知りません」なんて言われたら悲しいわ。
ずっとお互い隣でおったのにな、俺ら。
本当は早く思い出して欲しい。
本当は、俺の事を「相棒」って呼んでくれる志麻くんに早く会いたい。
早く、四人で笑いたい。
「…っあ……ぅううっ…」
でも、
「志麻くん…」
そんなに…苦しいん?
俺らの記憶を思い出すには、そんなに志麻くん苦しまなあかんの?
.
俺が記憶がなくなってぼんやりしていた時に、頭の中に不自然な空白がある気がしてずっと悩んでいた。
そのことを気にすると何故かやけに悲しくなるもんだから、俺は気にせんようにして逃げた。
でも志麻くんはずっと逃げんで立ち向かってしまっとった。
多分これは記憶の穴。
きっとここには俺らが紡いで来た記憶がずっとあって、それが何故か急に抜けてしまった。
心にぽっかりと穴が空いて、ずっとここに当てはまるような記憶が無きゃ、誤魔化す事が出来ない。ずっと悲しんだまま。
俺はこの穴がある事さえも途中で忘れていた。
…いや、違う。
この穴が、少しづつ埋まっていってたんだ。
この穴を埋めたのは自分の強さじゃなかった。善逸の事、人の繋がりの事、温かみの事。
俺はそれに甘えた。
時代を超えても変わらなかった物が、俺に分け与えられた物が、その空白にどんどん詰まっていった。
だから、良くも悪くもその空白を忘れてしまった。
志麻くんは忘れなかった。
その空白が埋まらなかったのか。
それに値する物が見つからなかったのか。
はたまた、“忘れないでいてくれたのか”
…どちらにせよ、自分を守らない方を選んだ。
そこにあったと分かっていて、思い出す恐怖、違和感がある事への不安があるから、苦しいんや。
それは皆同じ。でも志麻くんは逃げんかった。
空白を、忘れんように意地でも守った。
「…無理せんでええ。大丈夫、責めたりなんかせえへん」
今はそう声をかけよう。
メンバーの苦しむ顔は、見たくないんや。
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um(プロフ) - そうですかありがとうございます! (2020年7月27日 22時) (レス) id: 00ce3b9bd5 (このIDを非表示/違反報告)
筆ペン屋さん 極細(プロフ) - umさん» 下のコメントの続きです。あと、私も文章能力があまり良くないので、描写などが上手く書けていない所も全然あります。そこでストーリーを勘違いさせてしまっていたらすみません!上手く言えていなくてすみません。わざわざコメントありがとうございました! (2020年7月27日 22時) (レス) id: d5543b7af3 (このIDを非表示/違反報告)
筆ペン屋さん 極細(プロフ) - 違うアカウントから失礼します!(このアカウントはもう使えなくなってしまったので…中の人は同じです)ここの場合、柱合会議は歌い手様がストーリーに少し影響を与えている為、一部のキャラが協力的だったりしています。続きます。 (2020年7月27日 22時) (レス) id: d5543b7af3 (このIDを非表示/違反報告)
um(プロフ) - コメント失礼します!柱合会議の感じが違うと思うのですが………… (2020年7月27日 21時) (レス) id: 00ce3b9bd5 (このIDを非表示/違反報告)
筆ペン屋さん(プロフ) - 火白.さん» 遅くなってすみません、ちゃんとレス出来ていませんでした。このコメントの下のコメントが返信です。 (2020年4月13日 12時) (レス) id: 51416204c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:筆ペン屋さん | 作成日時:2020年3月28日 1時