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Aは近くにあった瓦礫に腰をかけ、電話をかけた。


「お疲れ様ですAさん。何かありましたか」

「やぁパリストン。夜にごめんね」


電話の相手はパリストンだった。


「いえいえ、お気になさらず」

「今資料にあった呪霊2体を祓ったんだ」

「おお、それはそれは、まだ一日しか経っていないのに。さすがAさん。

でも、それだけの為に電話した訳ではないんですよね」


Aはフッと笑った。


「呪霊は文面に起こせる固有情報がないから、犠牲者の方の情報を漁った。私の情報はね、その人が今どこにいるとかまで出てくるんだけど、犠牲者たちは死んだであろう日付よりあとに移動してたんだ。

通過予定場所で張ってたら、何食わぬ顔の人型受肉体が通ったよ。あと話せたかな。言語理解があった」


電話の向こうから、パリストンの笑い声が聞こえた。


「情報ありがとうございます。いやー、いつ聞いてもAさんの念は面白いですね。なるほど、それで情報屋のお仕事をされてたんですね、納得です」

「私が居場所伝えてパリストンが処理する?」

「いやいや、僕は怖いし非力なもんで」


じゃあ、とパリストンは電話を切った。

Aは立ち上がり、外に出た。



「そういえば、もう一体の匂い消えちゃったな」


ーーー


八身怨子体〈ハチミエンシタイ〉

この特急呪物はその昔、寺の坊主が呪霊に襲われ、自分が助かることを引き換えに寺で育てていた捨て子八人を喰わせたことにより発生した。

喰われた子達の怨念は強く、耐えられなくなった呪霊の身体を乗っ取り八分割し、喰われた子みな呪霊と化したとされている。

なお、所在不明である。




その八分割の一人、〈二〉は焦っていた。

〈五〉と〈八〉と合流する予定だった〈二〉の早い帰りに、〈一〉と〈四〉は驚いた。


「どうした、二」

「……五と八が殺された」

「は…」


一と四は黙った。苦渋の顔をした二はゆっくりと話し始めた。


「恐ろしいほどの呪力の女だった…先にいた2人は後をつけられてたことにも気づかなかっただろう、私も待ち合わせてた建物に入る前に急に女の呪力を感じたんだから」

「…そうか」






「へぇ、その子って、可愛かった?」


突如声がした。その数秒後、三体はこの世から消えた。


「あー、女の子のこと聞いてから祓うべきだったなー」

「瞬殺でしたね」

「七海の出番なーし、僕の手柄ね」

「元々私はこっちで祓える権利ないんですが」




八身怨子体、残り三体。

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カノン(プロフ) - もう更新はされないのでしょうか?楽しみにしてます…! (8月28日 23時) (レス) @page30 id: cb9945ccdc (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - みるきさん» コメントありがとうございます!好きすぎになって頂けて嬉しいです!頑張りますので、どうぞご期待ください! (2022年11月20日 0時) (レス) id: 9293aae5a3 (このIDを非表示/違反報告)
みるき(プロフ) - ……好きすぎます!!!更新頑張ってください!! (2022年11月19日 23時) (レス) @page7 id: 98c132f21e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - mさん» コメントありがとうございます。そして応援ありがとうございます!感動したというお言葉を頂いただけで泣きそうになっちゃいました。こちらこそ、作品を読んで頂きありがとうございます。これからも応援よろしくお願い致します! (2022年11月19日 22時) (レス) id: 9293aae5a3 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - すみません。勢いのあまりに少し誤字をしてしまいました。気にしないでいただけると嬉しいです💦🙇‍♂️ (2022年11月19日 20時) (レス) id: 0d9b393e0f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年11月13日 1時

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