[12]負けず嫌い ページ26
「2度も君の電話で起こされるとは思わなかったな、パリストン」
「いえー、こちらも2日連続でお掛けするとは思いませんでした」
翌朝、またもパリストンの電話で起こされたAはやはり少し不機嫌であった。
「それで、何の用かな」
「昨日頂いた情報を上にお伝えした結果をと思いまして」
「わざわざ電話してくるってことは緊急なんでしょ。勿体ぶらないで早く教えてよ」
パリストンは電話の向こうで笑う。
「いやですね、お伝えしたところ向こう側さんも丁度接敵済みだったみたいで敵の情報はあらかた知っておりました。
実は向こうの呪術師さん、Aさんの残りの2体含めた3体を処理しちゃったみたいで。Aさんの分け前少し減っちゃうことになりました」
「…は」
「元々半分に分けてたでしょ?それを無視して処理しちゃったみたいで…Aさんの持ち分はなくなっちゃいました。まあ単純計算で報酬は1/2カットですけど…どうします?」
パリストンは機嫌がもっと悪くなっていくことお構い無しに話し続けた。
「いや、あとで向こう持ち分の資料も送ってくれ。それがありなら残り全て私が処理する」
「流石〜言うと思いました。やはりこちらが行動把握できることは伝えなくてよかった。
それでは、あとで資料等メールで送りますね。あ、ちなみに理由はやっぱりお金なんです?」
Aはソファーに座り足を組んだ。
「…いや、やられっぱなしがムカつくだけ。その分の報酬は私が貰うよ」
「そうですか。意外と負けず嫌いなんですね」
じゃあ、とパリストンは電話を切った。
ーーーーーーー
「悟…やってくれたな」
「いやぁ悪気はないんだって」
とあるカフェにて、悟はペアの依頼者に怒られていた。
「七海…お前が居て何故個体を間違える…」
「私はただ着いてこいと言われただけなので、資料に目は通していません」
「はぁ…お前らが聞いたその女が、恐らく向こうさんの呪術師だ。依頼者同士も顔が見えない分、こういうことで信頼を築いてきてたってのに…」
依頼者が頭を抱える横で、七海は考え事をしていた。
「どうしたの七海」
「いえ、うちの国に世界規模で呪術師として活躍できる女性いましたっけ」
悟の顔から一瞬だけ笑顔が消えた。
"悟くん"
「…いないよ、僕の知る限り」
「ではこちらの国の野生呪術師ですか」
「さあ。でもそんな人物が居るなら是非拝んでみたいね」
ニヤつくと、悟はコーヒーを飲み干した。
345人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
カノン(プロフ) - もう更新はされないのでしょうか?楽しみにしてます…! (8月28日 23時) (レス) @page30 id: cb9945ccdc (このIDを非表示/違反報告)
宮(プロフ) - みるきさん» コメントありがとうございます!好きすぎになって頂けて嬉しいです!頑張りますので、どうぞご期待ください! (2022年11月20日 0時) (レス) id: 9293aae5a3 (このIDを非表示/違反報告)
みるき(プロフ) - ……好きすぎます!!!更新頑張ってください!! (2022年11月19日 23時) (レス) @page7 id: 98c132f21e (このIDを非表示/違反報告)
宮(プロフ) - mさん» コメントありがとうございます。そして応援ありがとうございます!感動したというお言葉を頂いただけで泣きそうになっちゃいました。こちらこそ、作品を読んで頂きありがとうございます。これからも応援よろしくお願い致します! (2022年11月19日 22時) (レス) id: 9293aae5a3 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - すみません。勢いのあまりに少し誤字をしてしまいました。気にしないでいただけると嬉しいです💦🙇♂️ (2022年11月19日 20時) (レス) id: 0d9b393e0f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:宮 | 作成日時:2022年11月13日 1時