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N side
ドゥーガルの反応からしてAがここに居るのは確かなんだけど、足跡なんてものは残ってなかった
…こんなに広かったっけ
あまりにも何も無くて、奥に奥に足を進めて行くたびに体感温度が下がるような気がして、不安が募る
こんなに寒くて何も無い所に何の用があるんだろう
まだ他の子達と馴染めてないのかな…
でも、普通に喋ってたから大丈夫だと思うんだけどなぁ
色々と思考を巡らせながら歩いていると、ぽつんと何かが見えた
あ、Aだ
直感的にそう思うと、動かしていた足が段々速くなる
近付いてみると、Aは出会った当初みたいに膝を抱えていた
彼女特有の尻尾も体に巻き付いていて、まるで極力小さくなっているように見えた
丸まった背中が、いつもより脆く感じる
「、……！」
そんな背中を見てられなくて声をかけようとしたら、目の前に何かが通った
それを逃してはいけない気がして慌てて手を伸ばしてみれば、手にそれがベールのように優しく纏わり付く
この青色、知ってる…
「A」
いつも他の子達を呼ぶみたいに名前を呼んでから彼女に近付く
そして驚かさないように前に回ってAの様子を伺ってみると、何処か遠くをぼーっと見つめていた
その口からは、今も僕の手にある青色のものが少し漏れていた
「A」
もう一度呼ぶと、目は合わないけど顔を上げて僕が目の前に居るという事を認識した
そして口から出ていたものを息を吸うように引っ込める
「これ、飛んでたよ」
『あ……』
本人も気付いていなかったのか、小さく音を発した
そんな彼女の近くに手に纏わり付いたそれを近付けると、自然のそれはAの口に戻った
やっぱり、これはペルセルトの魂の一部だったんだ
「何でここに？」
『……』
尋ねてみてもAは何も答えなかった
気分が沈んでるのかな、何だかいつもに増して覇気が無いような気がする…
無理に何か言わせたい訳じゃないから、返事が返って来ない事なんて全然気にならなかった
少しでも気分が和らぐように頭を撫でようと、手を伸ばす途中で気付く
手先が今までに見たことが無いくらい青白くて、爪の付け根は紫色に近い
その癖して指は霜焼けをしたように赤い
人間の姿だから変化がよく分かる
「っ、ちょっとごめんね」
断りを入れて頬に触れてみれば、血が通ってないみたいに冷たかった
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時々雨(プロフ) - コメント失礼します。まだペルセルトちゃんの笑顔が見れてないので、いつか見れるといいなと思いました！とても気になるお話で、続きを楽しみにお待ちしてますね！ (2020年11月20日 22時) (
レス) id: 5e6f4aeb76 (このIDを非表示/違反報告)
Haruka Abe(プロフ) - すごく面白いです！ (2019年10月16日 1時) (レス) id: a5df0a293e (このIDを非表示/違反報告)
ケイ(プロフ) - 面白いです。文に奇想転結があって頑張ってください (2019年9月4日 3時) (レス) id: 24833da0d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちもち | 作成日時：2019年7月15日 18時
